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その心に酔わされる(1/7)

2月の始めのあるオフの日のこと、私は街中のチョコレート売り場をさ迷っていた。


明後日から当分地方でのドラマの撮影のために東京を離れなくてはならず、


バレンタインデー当日に秋羅さんに会うことはどうしても無理なので今日か明日しか渡せないのに


秋羅さんのイメージに合ったものが見つからない


探してるのは『大人のイメージで、甘いものをあまり食べない秋羅さんでも美味しく食べられるお酒入りのチョコレート』


小さい頃お父さんが食べていたウィスキーボンボンをこっそり食べてみたら、


ジャリジャリとした砂糖が入っていて甘かったのを思いだし出来れば甘くなくて


秋羅さんに美味しいと思ってもらえるものを、と


色々なお酒入りのチョコレートを見たのだけれど。



見れば見るほどどれが美味しいんだろう…と悩んでしまい、



時間だけが過ぎ



ついに日が暮れてしまい、さすがに疲れたので


喫茶店に入りぼんやりと珈琲を飲みながら溜め息をつく。


(はぁ…よく考えてみれば、秋羅さんには凄い量のチョコレートが届くんだよね

きっと…何を選んでも貰ったことのないチョコなんてないんだろうなぁ〜)



秋羅さんと……JADEの皆さんと出会ってからはじめてのバレンタインデー。




私が出会う前から秋羅さんには沢山のファンや…付き合っていた女の人達から数えきれない程のチョコレートが渡されているはずで。



そんなたくさんのチョコに負けない秋羅さんにピッタリなチョコレートなんてあるのかなぁ…




(………ううんダメ!ここで諦めたら間に合わなくなっちゃうよ!!

……なんかいいのないかなぁ?もぅいっそ、秋羅さんの好きなお酒とかにしちゃおうかな〜

お酒なら…ダメだ冬馬さんに聞いたら絶対からかわれちゃうし……う〜ん


…あ!そうだ!この時間ならもう空いてるよね!)



近くに秋羅さんお気に入りのバーがあることを思いだし行ってみることにした。

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