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夢の続きは君と二人で(1/4)

4月半ば。



桜の花も大分散ってしまった頃。



私と櫂はオフを利用して、ホワイトデーの時に来れなかった、あのテーマパークにやって来ていた。



海をテーマにしたこのパークには敷地内をグルッと一周する運河が走っていて、小型の蒸気船も定期的に運行している。



私達は午前中の割と早い時間にパークに到着すると、すぐにこの蒸気船に乗り込んでゆっくり流れる周囲の景色を楽しんでいた。





船が進むのに合わせてお伽話に出て来る様な建物が次から次へと現れてきて、ここはまさに『夢の国』だった。



「うわぁ、キレイ!…見て、滝まである〜



思わず歓声を挙げる私を見て、隣の席に座っている櫂が笑う。



「ちとせちゃん、蒸気船は初めてって言ってたっけ?」



「うん……だから今日コレに乗るの、すごく楽しみにしてたんだよ?」



空は雲一つない快晴で、水面が日差しを反射してキラキラと揺らめいている。



一応変装用の帽子も被っていたけれど、GWにはまだ早い平日だからか混雑はそれほどでもなくて。



人目を気にしなくていいという開放感からか、満面の笑顔で振り返るちとせ。



「ホントに、来て良かったね!」



「……まあサプライズでなくなっちゃったのは、残念だけどね。こんなに喜んでくれるなら、結果オーライかな」



櫂はちとせの笑顔を見つめながら、その華奢な体を抱き寄せた。





やがてパークの一番奥のエリアに船が到着すると、私達はそこからお目当てのアトラクションへと向かう。



櫂がホワイトデー用にこっそり買い込んでいたガイドブックで、ルートもバッチリ計画済みだ。



まずは、水上アトラクションを一つと、ダンスパフォーマンスや多彩なパーカッションが売りのステージショーを堪能して。



ラッキーな事にパーク内に何組かいるストリートパフォーマーのマジシャンにも遭遇出来て、目の前で繰り広げられるマジックに私達は二人ともまるで小さな子供みたいに笑いあった。



そして、今日のメインは大ヒット映画をモチーフにしたアドベンチャー物。



オフロード車を模したカートに乗って呪われた遺跡から脱出するという設定の、スリルとスピードが売り物のアトラクションだったのだけれど………。








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