その温もりに抱かれて(2/3)
『星が降る』っていうのはきっとこんな空を言うんだろう
背の高い、森の木々を包み込むように広がる漆黒の空に、今まで見た事もないくらいに沢山の星達がきらめいていた
「凄い‥‥こんなに沢山の星を見たのって初めて!」
「そうだな、俺もだよ」
「‥‥‥‥‥でも、ちょっとだけ怖いかも」
小声で呟いて龍のシャツをきゅっと掴むと、不思議そうな顔をした龍に顔を覗き込まれた
「ちとせ? 急にどうした?」
「だって‥‥この星空を見てると、大きすぎて、逆に自分が独りぼっちになったみたいな気がして‥‥‥」
「何だよ、そんな事ある訳ないだろ?」
「私だって分かってるけど、でも‥‥‥‥!」
苦笑した龍がその大きな手で私の頭をぽんぽん、と叩いた
そして、毛布越しに肩を抱いている手にギュッと力が込められる
illustration: 4seasons palette/白夜様
「大丈夫、ちとせは絶対に独りにはならないよ‥‥‥そんな事、俺がさせない」
「龍?」
痛いくらいの力で抱きしめられながら、私は龍の言葉を聞いていた
「だから俺は、ちとせが安心出来るまで何度でも言い続けるよ」
これから先‥‥例え何があっても、俺はちとせの傍にいる
俺の全てを賭けて、ちとせの事を守るから
愛してる
誰よりも、何よりも
俺はお前一人だけを愛してるよ、ちとせ―――
―END―
⇒あとがき .
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