「名前、おかえりなさい。」
バラエティ番組の収録が終わり、自分の部屋へやっと帰宅となった。
一人暮らしの自分の部屋に明かりがついているということは、恋人であるトキヤがいると言う事だ。
早く会いたくて急いでドアを開けると、そこには大変機嫌を損ねて黒いオーラを身に纏った王子様がお出迎えだ…。
「…えーっと。ただいま。」
「さぁ、何をボサッと立っているんですか?こちらへ来なさい。」
「あの…トキヤ、何か怒ってる?」
「怒ってなどいません…ただの醜い闇です。でも、そんな醜いものを私の心に宿すことになった原因は名前にあります。」
「…は?いや、トキヤさーん。戻っておいで?」
醜い闇?心に宿した原因?何、何かの童話?次のドラマの役ですかトキヤさん。
据わった視線の先に私を捕えたトキヤは怒ったまま淡々としゃべり続けた。
「戻ってますよ!!」
「いや、言動おかしいから。どうしたのかちゃんと言ってよ!意味わかんない!!!」
ただただ怒っているトキヤが少々ウザくなってしまった私。性格的にあっさりざっくりしてる私にはそう言う攻められ方をされると反省する所か反撃してしまう。悪い癖だとは思うけど、はっきりしないトキヤに理由を言って欲しかった。
「名前…私は…私は…」
あーしょんぼりしちゃったよ。
仕事になると超真面目でプライベートでもツンキャラなのに、どうやら私には弱いらしい。どんなトキヤも好きだ。だからトキヤが私の所為でこうなっているのなら理由をちゃんと知りたかった。
「トキヤ…どうしたの?私、何かした?」
「違うんです。私が勝手に嫉妬したんです。貴女の綺麗な肌が、他の男の目に触れるなど…」
「…あ、今日だった!見たの!?」
「見ましたよ!!私は名前の恋人です!見たっていいはずです!」
この前青年雑誌のグラビアの仕事があったのを、トキヤが持っていた雑誌の表紙に載る自分の水着姿を見て思い出したのだった。
表紙は可愛い感じの水着を着させてもらったけど、中のグラビアは結構過激だったのを覚えている。
カメラマンさんに「最近増々綺麗になったね。色気が出てきていい感じだよ!」なんて言われてついつい調子にのってしまった産物だ。
「いや、いいけど…恥ずかしいよ。」
「えぇ、とても恥ずかし気もない大胆なポーズで、挑発的な視線ですね。」
トキヤの開いたページには、ワンサイズ小さいブラウスを着せられて胸が入らなくてかなりざっくりと胸元が開いた白いリボンのついたブラウスに、赤と紫のチェック柄のこれまた小さめな水着を着た自分がシャワーをかけられてびしょ濡れで憂った表情でいる写真がでかでかと表示されていた。
「ちょっと!!!見ないでよ!」
「名前がこんなエロティックな格好で私を挑発するのがいけないんですよ。」
ギャーギャー言っているとトキヤが私をソファへ押し倒した。
トキヤが覆いかぶさって首筋に吸い付いて、大きな手が膨らみをきつく揉みしだきながら先っぽを服の上から刺激された。
「や、だめ…ぁ…ん…」
「ダメ?ダメなのにそんな厭らしい声をだして、そんな顔をするなんて…」
エッチの時のトキヤは本当にドSだ。
あんなに怒っていたかと思いきや、とっても楽しそうに私を見下ろしていた。
スカートの中に手が忍び込んできて、クロッチをなぞられる。イヤイヤして足を閉じようとすると、間に割り入って更に足を広げさせた。
「…ふぁあ…や、やぁ…ぁん…」
「凄い濡れていますよ?そんなにいいですか?」
「ぁ…んん…やんっ…だめ、だめぇ指やぁ…」
下着をずらして、割れ目をなぞられるとものすごく濡れているのが自分でもわかった。グチュグチュと音をたてられながら弄られると堪らなくなって腰が動いてしまう。中々イかせてもらえず、中途半端な刺激をずっと与えられて頭がおかしくなりそうだ。指だけじゃ足りずに、トキヤの指を自分で腰を動かしていいところに当てようとすると、トキヤがまた満足そうにニヤリと笑った。
「中、ものすごく熱いですよ。びしょ濡れで厭らしいオマンコですね。」
「トキヤっ…あ、んぁ…お願っ…」
「何ですか?ちゃんと言いなさい。」
「トキヤのおちんちん欲しいのぉ…」
「いいですよ。」
理性よりも欲が勝って、恥ずかしげもなく卑猥な言葉をトキヤに囁くとトキヤはとても満足そうな表情をしていた。自分を支配したように、楽しげに笑うトキヤはゾクリとする程カッコよくて、綺麗だった。
両足を掴んで引き寄せられると、すでに主張しているトキヤの熱いものが直接宛がわれる。潤滑剤にするかのように愛液を纏わせるよう前後に擦ると、ピクリと脈打ちながら硬さを増すトキヤ。蕾に宛がうと、一気に中へと押し入れた。
「ひぃぃっ…ぁあっあ、あ、あああ」
「は…きつ…」
無意識に子宮が疼き、キュウキュウとトキヤのものを締め付けて自分でもその刺激が気持ちよくて声が漏れる。入れたあと、トキヤは私を抱きしめながら、私がそれに慣れるのを待ってから徐々に腰を動かし始めた。
腰が打ち付けられる度に全身に伝わる快感が襲い、貪欲に刺激を求めていた。
「トキヤ…すき…もっと…」
「貴女という人は…名前は本当に可愛らしいことをしてくれますね。」
名を呼べば、いつの間にか互いにまた深く抱き合い、腰を打ち付けあいながらキスをした。二人の汗が混ざり、体を濡らしていくとまた互いの熱を感じて熱くなった。
「トキヤだけにしか、こんな姿見せないから、ね…」
「名前…私も大好きです。」
Fin