会いたい時に会えないのに、会いたくない時には会ってしまう…なんて事はよくあると思う。けど、今日だけは神様仏様どうか誰にも会いたくないんです。
収録が終わって急いで上着を羽織ると丁寧に共演者、スタッフにお礼を述べてすぐさま楽屋へ閉じこもった。
こんな恰好で知り合いに出会ってしまったら恥ずかしすぎてどうにかなってしまいそうだ。
特に同じ事務所の面子には絶対に会いたくない。何せ今日は「まいど!アイドルらすべがす」の収録日と被っているから局内に蘭丸と嶺二がいるはずだった。
私服に着替えようと中に進むと鏡に映った自分に目が行った。
「うーん…アイドルだし、別に変では…ない。けど、この歳でこの恰好はちょっとね…はは。」
乾いた笑いが楽屋に響いた。
今日はバラエティー番組の収録で動物特集。動物コスプレをさせられたまではいいけど耳カチューシャか、酷くても着ぐるみくらいだろ、なんて甘い考えでいた私が馬鹿だった。
猫耳カチューシャ、首輪っぽいチョーカー、腕をあげればおへそが出てしまうチューブトップ。ショートパンツにはご丁寧にふさふさの長い尻尾までついていた。「誰の趣味だ!誰の!!」と騒いでいたが最終的には全て身に着けていた小心者の自分が悲しい。
私服の掛かったハンガーを手に取ろうとするとドアノブがガチャガチャと音を立てた。
「おい、入るぞ。」
「へ!?蘭丸!!?ちょ、待った、開けないで!!!」
ぎゃーーーー!!!
心の中で叫んだ。
私を見た蘭丸の顔といったら物凄く目を見開いて、文字通り目が点。
フルフルと震えた指で私を指さして蘭丸は恐ろしいものでも見たかのような様子だ。
「んな゛…何だそのふざけた格好は!」
「ふざけてないし!衣装だし!!入らないでって言ってるの無視して入ってこないでよ!!!」
「お前…いい年してそんな恰好して恥ずかしくねーのかよ。」
「だから!!衣装だって言ってるじゃん!!見ないでよ恥ずかしいから!!!」
ふざけた格好であることもいい年して恥ずかしいことも自分が一番よくわかってますとも。
恥ずかしすぎて顔を背けると後ろからギュッと抱きしめられて、鏡越しに蘭丸と目が合った。先程までの顔とは打って変わってオッドアイが私を捕えて離さず、ニヤリと笑う蘭丸にドキリと心臓が跳ねた。
「なぁ、試しに『にゃん』って言ってみろよ。」
「なっ…蘭丸の変態!んぅ…っんぁあ…」
文句を全て言い終わる前にはすでに口を塞がれていた。
顎を掴まれて後ろを向かされているし、舌が絡み合って唾液を送られるから苦しくて酸素が欲しくなる。痺れるような感覚にクラクラしてだらしなく声が出た。
「はっ…キスだけでこんなエロい声出しやがってどっちが変態なんだよ。」
「や…ぁ…蘭丸ここ、楽屋…」
気をよくした蘭丸の行為は徐々にエスカレートしていった。
服の中に手を入れて下着をずらすと直接膨らみを揉みしだく。ゴツゴツした大きな手が鏡越しに映っている。
自分の姿を目にして躰が熱くなるのを感じた。仕事を神聖なもののように大切にしている蘭丸が楽屋で盛りはじめるなんて初めてのことで、私自身興奮しているのかもしれない。
ショートパンツのホックをはずされて、チャックを下ろされると下着の上からすじをなぞられた。身をよじると今度は乳首を抓られた。
硬度を増した乳首をコリコリと転がす様に弄られて躰が反応し続けていた。
「楽屋だからどうしたんだよ。ほら、『にゃん』って鳴いてみろよ。家の野良以上に可愛がってやるぜ…?」
「…ぅにゃ…ん…」
煽られた熱い躰は徐々に理性を溶かして快楽へと誘われた。
蘭丸は何を思ったのかショートパンツについた尻尾をすでにグチャグチャに濡れた私のアソコに擦り付けると先っぽを蜜壺へ押し入れた。ヌチャヌチャと粘着質な音と、急に入ってきた異物に耐えられず、鏡台に手をついた。
背中を押されてお尻を突きだすような恰好にされると割れ目に硬く大きくなった蘭丸のおチンチンが擦り付けられた。
「ふーん…」
「蘭丸…?ひぁ…ぁああん…ふぅ…」
「尻尾で擦られて感じるなよ…俺のよりいいってか?」
「ちが…お願…ちゃんとシて…」
粘着音が楽屋に響いてもっともっとと泣いているみたいだ。
蘭丸が欲しい…腰を動かして蘭丸のものを自分のお尻に擦り付けると熱い肉棒がピクリと反応していた。
「いいぜ。」と短く答えると尻尾がズルりと抜けて代わりに硬くて熱いものが入口に宛がわれた。間髪おかずに中に入ってきたものはものすごく先程の尻尾なんかと比べ物にならないくらい大きくて内壁を推し進めて奥へと入って行く。
「ひぁあ…おっき…んぁああ、あ、」
「くっ…中すげー熱い。」
「や…蘭丸…ん…」
「ほら、声聞かせろよ…」
何度行為をしてもこの瞬間は慣れないものだ。
上手く息ができなくて全身がしびれるような感覚に苦しくなる。
打ち付ける速度を徐々に速めて私を追いつめる蘭丸も切なげに息を吐いた。
「ぁあ…あ、あん…にゃぁあ…あ、ああん…ひぅ…」
「はっ…名前…俺が責任もって飼ってやるぜ…可愛い猫でいるならな。」
「ンん…ぁああ、にゃ…蘭丸、好き…」
鏡越しに視線が合うと蘭丸が優しく笑った。手を後ろへ伸ばすと蘭丸はその手を握って前かがみになると手の甲へ口付けた。
「あぁ、わかってる。」
「蘭丸…は?はぁあ…っひぅ…」
「愛してるに決まってんだろーが。」
愛を確かめながら熱い一時を過ごしたのだった。