04
明日はいよいよ入学式。
夢の学園生活。
やっと本格的に作曲の勉強ができるんだ。
そう思うと遠足前の小学生のように目が冴えてまったく眠れない。
時計と睨めっこしてどれだけ経ったのだろうか、徐々にウトウトして…眠れ、そう…
ギシッ
自分の体重よりもまたさらにベッドが沈む感覚がうっすら私に伝わった。
すると、柔らかくて暖かいものが、私の唇に触れて数秒…
「っ!!?」
キス…?
キ、キス!!?
キスされていることに気付き、目を開けるとトキヤが私の上に跨っていた。
思わず大きな声を出してしまいそうな所をトキヤが指を私の唇に当てて、「しー…」と私に静かにするように促した。
「いや…」
トキヤは優しく笑っているけれど、自分の上に跨って腕を抑える手が軋んで痛くて、これからの行為を考えると身体が震えた。
「ここで一緒に暮らすのも、最後なのですから…」
「いやだってば…」
ここで一緒に暮らすのは最後。
確かにそうなのかもしれない。
きっとトキヤは「HAYATO」を卒業して、「一ノ瀬トキヤ」としてトップアイドルになると思う。トキヤの真っ直ぐな夢は応援しているし、私もそれを願っているから。
私はトキヤのお姉ちゃんとして、家族としてこれからもずっと一緒に居たいっって…だから最後でもダメ。
「では、今ここで叫んではどうです?きっと両親が急いで助けに来てくれますよ。そして、自分たちの今までの身勝手で無知な感情と行動に後悔すればいい。」
「何を言って…身勝手なのはどっち?」
「貴女ですよ。貴女も、父も、#母親#さんも…私の気持ちなどまったく考えずに家族ごっこをして、楽しいんですか?」
「…トキヤ」
トキヤの言葉にズキリと心が傷む。
どうしてそんな事言うの…?私だけじゃなくてパパさんも、お母さんも皆嫌いなの?
だけど、今こうして関係を壊している張本人は身勝手じゃないの?
モヤモヤする。
トキヤが全然思ってることを喋ってくれないから。
「さぁ、どうします?ここで助けを求めて家族の崩壊を選ぶか、家族を想って従うか…“優しい姉さん”には無理でしょうね、家庭を壊すだなんて…絶対に」
「…」
「トキヤは好きじゃないの?パパさんと、お母さんの事。」
「……母を想うと言った父にも失望しました。貴女に家族を味わってもらいたいと勝手な思いで付き合わせられるこちらの身にもなってください。そんな2人にも、それに従い、私がこんなにも酷い仕打ちをしても尚笑顔でいる貴女にも、本当に腹が立ちます。」
「…」
トキヤの悲痛な顔が私の瞳を奪って目が離せない。
いつの間にか涙が溢れて、シーツにポタリと落ちた滴が小さな染みを作った。
「っ…。叫ぶ気がないのなら、続き…しますよ」
「ひぁ…あ、ん…」
トキヤの顔がハッと驚いたように見えたけれど、それは一瞬で、私の肩口に顔を埋めて首筋を舐めた。スルリと伸びた手が私の胸の上を撫でて、先端が布に擦れる感覚がもどかしかった。
私の反応を確かめると今度はキュッと摘んで指でこねる。
ピクリと背中が大きく弧を描くとトキヤの口元がニヤリと笑った。
「感じやすいですね。淫乱と言うべきか…開発すれば乳首だけでイけてしまいそうですよ。」
「や…いや…ぁあ」
トキヤに支配されているみたいに、どんな愛撫にも反応するようになった私の身体。
言われるままに反応し、敏感な部分を触られてもいないのに濡らしている自分が嫌になる。
トキヤがスッと離れると、ズボンを下ろして下着からすでに主張し始めたものを取り出した。そして私の顔に近づけて奉仕するように命令した。
「ほら、舐めてください…噛んだりしたら許しませんよ」
「ふぐ…ん…ん」
ピクリと波打つそれに躊躇していると、トキヤが催促して無理矢理口に押し込んだ。
口に含んだ瞬間に、トキヤのものがピクリとまた大きくなって苦しくなる。
ゆっくりと舌を動かすと、トキヤがうっとりとした表情で私の頭を撫でた。
「はぁ…ほら、もっと舌を絡めて…そう」
「ん…ふ…んぁ」
慣れない行為にトキヤが優しくやり方を教えていく。
徐々に先っぽからヌルリとした先走りが溢れてむせ返りそうだった。
「のえるのここ、触ってもいないのに大洪水ですね…私のものをしゃぶって、期待でもしたんですか?」
トキヤが私の足をグッと開かせるとそれだけでクチュりと粘着音が響いた。私の口から大きくなった物を取り出すと、今度はトキヤの長い指が蕾に挿入された。
「っ…ぁあ…し、してな…いっ」
「そうですか。じゃあ、欲しくて欲しくて堪らなくしてさしあげますよ。」
期待はしてない。だけど、トキヤが弄るから。
言い返そうとすると、指がひかれて足を持ち上げられた。ほとんど慣らされていない所に入れられたためか、ギチギチと接合部から音がして、体が揺さぶられる度に痛みに混ざった快楽が私を攻め立てた。
「きゃぁあああ…いや、あ、あん、あぁ…はげし…」
「激しいのが好きなのでしょう?」
「ちが…あぁ、んぁ、ああ…」
ガツガツと最奥を突くように付いたトキヤがニヤりと笑った。
もう痛みはなくて、気持ちいいことしかわからないけど、絶対に、好きなんかじゃない。
「違いませんよ、私のを締め付けて離してくれません…いやらしい身体ですね」
「トキヤ…も、や…」
もう、やめて。
「のえる…出しますよ…」
「ひぃっ…あ、あぁぁ、んぁあ…あ、あん」
一層スピードをあげて、私の子宮を突き上げる。
痺れる様な刺激にトキヤよりも少し早く絶頂に達し意識が遠のきそうだった。
「んん…」
目を覚ますとまだ辺りは真っ暗だった。携帯を触るとディスプレイには深夜を示す時間。
部屋にトキヤはいなかった。
散らかったパジャマと濡れた下着…よれたシーツだけが、そこにトキヤが居たことを示していた。