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「…ふ…」


「「ふ?」」


「ふふふふ…いい!!!いいわよ!!!さすが私の娘!!いい趣味しててよかった!トキヤ君が彼氏なら安心!ね、アナタ!」







両親を目の前にして緊張しながら2人の事を話した。

少しの間が緊張を更に仰いだが、結果は意外ものであった。
拍子抜け、とでも言うのだろうか。

一番面食らっていたのはトキヤだった。顔面がピクついて声もでない様子だ。
お母さんが良かった良かった!なんてあまりにも喜んでいるものだから、トキヤがやっと口を開いた。





「ですが、私達は姉弟なんですよ!?」


「そうだけど、血は繋がってないし?あなた達が結婚って話になったらその時は戸籍の変更とか色々考えなくちゃね。あ!でも早乙女社長にバレないようにしなさいよ。そしたらデビューどころじゃないわよ!!」


「お母さん…」


「のえるの憧れの人がいなくなっちゃっても平気?」







私達2人が付き合うと言う事に問題はないらしい。
けれど、真剣な表情でお母さんが私に問いかけた質問はHAYATO様の事だった。










「アイドル一ノ瀬トキヤの曲を作ることが私の夢だから。」










胸を張って伝えると、テーブルの見えない所でトキヤがそっと私の手を握った。





「なんだか、呆気なかったね。」




帰り道、私が話しかけると、トキヤは少し笑うと私の腕を掴んだ。





「さて、今から生放送のリハーサルがあるので、行ってきます。まぁ、リハーサル通りにはならない予定ですが。」


「うん…」






掴まれた手は少し震えていた。トキヤはHAYATO様をやることが全部嫌いだったわけじゃない。お世話になった人達や、ファンの事を考えれば辛いのは十分わかった。
リハーサルだってどんな気持ちでやるのだろうか。




「のえる…一緒に来てくれませんか?」


「うん。」



私がトキヤの手を握ると、トキヤはそれを握り返した。

私達の純愛エレジーはクライマックスを迎えるのだろう。




fin
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