07
帰り道、トキヤと神宮寺さんが近づいてきた時にはビックリした。
そして今も、何が起きているのかさっぱりわからない。
だって、ここは学生寮の男子トイレ。
私の腕を掴んだトキヤは全然振り向きもしないで進むから、どんな表情かはまったくわからない。
男子トイレの個室に連れてこられ、放り込まれた勢いで壁にベチンと体の全面を思いっきりぶつけてしまった。
「いった!!!ちょっと…トキヤここ男子トイレなんですけど!!!?」
「煩いですよ。」
「キャッ」
訳がわからなくて、痛くて、トキヤに怒りをぶつけると、ピシャリと言い返された。
そして、両手を掴まれてトイレの冷たい壁に押しつけられた。
私以上に怒っているのが見てわかるくらい、煩いの一言に色んな物が収容されているようで、ものすごく怖かった。
「入学早々、楽しそうですね。幼馴染とも再会して。」
「トキヤ…?何怒ってるの?」
トキヤが怒っている理由が全くわからない。
何か悪いことをしたのならば謝らなくては…恐る恐る理由を聞こうとすると、トキヤの整った綺麗な顔が静かに怒っていた。
「言ったでしょう、貴女を見ているとイライラすると。」
「ごめん…なさい。」
「…っ謝らないでください。」
何度このセリフを言われたのだろうか…
何回言われても慣れることのない感情で溢れそうだ。何か鋭利なもので刺されたみたいに、心がズキリと痛む。
私には謝ることしかできなくて、痛くて息も途切れそうになるけれどなんとか謝罪を口にする。
だけど、トキヤはいつだって困った顔で謝るなって言う。
じゃあどうすればいいの?
だって、私馬鹿だから、謝る事しか思いつかないよ。
「だって…私…んん」
私が喋ろうとすると、トキヤの顔が近づいて、開いている片手で私の顎を捕まえると噛みつく様にキスをする。ネットリ舌を絡められて、唾液を送られる。歯列をなぞられるとだんだん力が入らなくなる。顎を捕えていた手が外されて、新品の制服のブラウスボタンが器用に外されていった。トキヤが下着に手を入れると、ぷりんっと溢れた乳房が露わになった。
「んぁ…や…ふぅ…」
乳首を円を描く様にクリクリとこねると、堪らなくなって声が漏れた。
いつ、誰がきてもおかしくないこの状況に、私はふしだらにも興奮してしまう。
「…昨日で終わりだと思ったら、大間違いですよ。」
「トキヤ、私…トキヤの気持ちも考えないで、トキヤの嫌がることしてきちゃったのかもしれない。だから…」
トキヤがニヤリと笑って、また私を脅す。
今日、早乙女校長先生が言っていた事を思い出した私が話をすると、またもトキヤに静止させられたのだった。
悲痛な顔をしたトキヤが「ですから、そんな事を聞きたいわけではありません!」と叫んだ。
どうすればいいのかわからない。トキヤと目が合うと、思わず目をそらした。
すると、トキヤはまたやわやわと胸を揉み始め、私の耳をピチャピチャと舐めたのだった。
「や…ダメ。あぁ…んん…」
「期待…してたんじゃないですか?下着が湿っていますよ。」
スルリと伸びた手がスカートを捲り上げて下着越しに指を這わす。
耳元で聞こえるトキヤの艶めいた声が私をまた刺激する。
「いやぁ…あ、あん…」
「大分トロけてきましたね…」
下着をずらして湿ったそこへトキヤの指が滑り込む。
グチュグチュとわざと音をたてて、2本の指でクリトリスをはさみながら上下に手を動かし刺激すると次へ次へと蕾から蜜が溢れだすのがわかる程だ。
粘着音がトイレの個室に響き渡って、私の足腰もガクガクと震えだした。
もうイってしまいそうだ…
「あ、あん…ひぁ…ぁあ…も、や…」
「ほら、ちゃんと立って…」
トキヤの指が離れるとイきかけたところを止められてもどかしかった。
私の腰をグッと持ち上げて、壁に手を付けさせた。
「ひ…」
「入れますよ。」
お尻をトキヤに突き出す形になっていたけれど、トキヤは私の片足を持ち上げて…まるで犬が排泄する時のような恰好にさせられる。
そしてトキヤのすでに熱くなったものを愛液で十分に濡れた蕾に押し当てた。
トキヤの言葉と同時にメリメリと音を立てて侵入された。
「ひゃぁあ…あぁ、あ、んぁあ、あ、あぁ…んん…」
「く…締めすぎ…ですよ。もっと、力を抜きなさい…」
「や、あぁ…わかんな…ひぁあ、ん」
後ろからゆるゆると腰を進めるトキヤが少し苦しそうな声で私にはなしかける。
だけど、刺激が強くって、力の抜き方だってよくわからない。
乳首をコリコリと摘まれながら徐々に腰の動きを速めていく。痛くて苦しいから、徐々に気持ちいいもっと刺激が欲しいと、淫乱な体は熱を求めていた。
「あ、ぁあ…トキヤ…ひあぁああっ」
「ここまでくれば、あとは一人で帰れますね。」
「…うん。」
男子トイレでの事情が終わり、なんの余韻もなくトキヤはすぐに乱れた制服を整え、私にも早く着替えるように促した。
そしてふらついていた私を見て、1つため息をつくと私の部屋の近くまで送ってくれたのだった。
「では。」
「…」
私は無言のままトキヤと別れた。
私の事を嫌いだというトキヤ。
面と向かって言われているせいもあるけれど、チクリと棘がささったみたいな痛みが心に走る。
「…はぁ。ただいまー。」
「…」
寮に着くとルームメイトの姿は見えない。むしろ引っ越ししてきた荷物さえもない。
殺風景な部屋の机に一通の手紙が置かれていることに気付いた私はそれを手に取る。
「ん?手紙?」
『YOUのルームメイトは入学前に他のプロダクションにスカウトされて入学辞退になっちゃいました。なのでーしばらく一人でヨロシクお願いしマスー!』
ファンシーな便箋に達筆に筆にて書かれていた内容に愕然とした。
ルームシェア…楽しみにしてたのになぁ。
それに、こんな気分が落ち込んだ時、一人は辛いから、誰かがいてくれればよかったのに。