クリスマスパーティと一緒に事務所の皆が真斗の誕生日会を開こうと提案してくれた。とっても盛大で真斗も皆も、もちろん私も楽しんだ。
今日は誕生日当日。
お昼ご飯に真斗の大好きな和食を揃えて一緒に食べた後、ケーキとプレゼントを手渡した。年末で人の往来が激しい時に2人で出かけてもしもアイドルとバレたら…と思いいつものように自宅でまったり過ごすプランとなってしまった。
郵便物が届けられ、真斗が一通の手紙を開けた。手紙を眺めては優しく笑う真斗の横顔はとても綺麗だ。


「どうしたの?何か嬉しそうだね。」

「あぁ、真衣から手紙が届いたんだ。」

「ふふ、よかったね。」


真斗の妹の真衣ちゃんは真斗に似てとても整った顔立ちに綺麗なストレートの髪の毛、ふわりと笑う顔は真斗に似てとても綺麗で可愛い子だ。一度こちらに遊びに来た真衣ちゃんを真斗が丁寧に紹介してくれた。
真衣ちゃんは別れ際とても悲しそうで、真斗も寂しそうに手を振っていたのが印象的だった。とても仲の良い兄妹。きっと兄の誕生日にとお祝いのメッセージを送ったのだろう。
きっと、真斗も真衣ちゃんに、そしてご両親にだって会いたいはずだ。
いつも近くに居られる自分が真斗を独り占めしてしまっていいのか、という気持ちが胸をざわめかせた。そんな私に敏感に気付いた真斗が「…名前、どうした?」と心配して駆け寄りふわりと頭を撫でた。


「年末だしね、折角のお休みにお家帰らなくていいのかなって…ご家族のみんなも真斗のお誕生日を直接お祝いしたいだろうし。」


ぽつりぽつりと喋り出した私の話を真剣に頷きながら聞いた後、真斗がすこし照れ臭そうに、だけどとても優しい声色で話しはじめた。


「俺は…その、ずっと前から自分の誕生日に大切な名前と一緒に過ごせればどれだけ幸せなのだろうなと思っていたから、今この時間はものすごく幸せだ。実家には年始に帰る予定になっていたしな。お前は何にも気を遣わなくていい。俺がこうしていたいんだ。」


話し終えた真斗がこちらをみてニコリと笑った。
ほっとしたと同時に、真斗の本心がちゃんと真斗の口から直接聞けたことが嬉しくて真斗に抱き付いて広い背中に腕を回した。


「なっ!!急に婦女子が男に抱き付くなといつも言っているだろう!」

「だって、真斗の事大好きだなって思ったから。」

「っっっ…お前のそういう素直な所…俺は好きだ。」


Happy Birthday My Darling

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -