朝だ…
この腰の気怠い感じとか、股間の擦れて痛い感じとか、服着てないとか、トキヤのベッドで整った寝息で横たわる隣のトキヤとか、色々総合してこれヤっちゃってるよな。
あれから酒を散々飲まされて…いや、自ら飲み進めていた気がしないでもないが、未だに、結局トキヤに甘かったという結果しか見いだせない自分が悲しい。

寝てるトキヤはセットされてないサラサラの髪で、少し乱れていて綺麗だ。髪だけじゃない、顔だって身体だって全部彼女の私よりも綺麗でムカツク程だ。


「綺麗すぎ…ムカツク。……でも好き。」

「何ですかその飴と鞭。」

「わっ!!急に起きないでよ。トキヤの寝顔好きだからもっと見てたかったのに。」

「寝顔…ですか。」


ついつい口に出した文句と告白にパチッと目を開けて喋り出したトキヤ。
気恥ずかしくなってしまったが、酒に酔っていたり、最近の忙しさにかまけてあまり恋人らしいこともしていなかったな、とトキヤの髪を撫でた。
寝顔が好きだと言ったらトキヤが眉間に皺を寄せて難しい顔をし出した。


「うん、寝顔。いっつも仏頂面で眉間に皺寄せてて険しい表情してること多いし、そりゃこの仕事やってれば嫌なことだっていっぱいあるし、考えて動かなくちゃいけない世界だからいつも頭働かせて周り見てるんだなぁとは思うよ。でも、トキヤの寝顔って健やかで、何か幸せそうに笑ってるみたいに寝てるから、安心するっていうか、私も癒されるんだよね。」


素直に口にすると、トキヤがプイッと向きを変えて背中を向けた。耳まで赤くなっているトキヤが可愛くて後ろから抱き付いてみると、「や、やめなさい…!」とトキヤが照れていた。


「照れてるの?かぁわいー!」

「宙…あまり私を刺激しないでください。」


腕を掴まれてあっという間にトキヤが上に乗っかった。掴んだ腕を口元まで持っていくと、手首にチュッと口付けされて、そのまま唇が手を這うように移動すると指先をペロリと舐めた。


「ひゃっ…やだ、くすぐったい。」

「そうやって私の心も熱くして、体も熱くさせる…宙、愛しています。」

「っっっ!ちょっと、恥ずかしいから!」

「昨日はもっと恥ずかしいこといっぱい言ってましたけどね。たとえばトキヤのオチn…」

「うわああああ聞きたくない!トキヤの馬鹿。」


うっとりとこちらをみながら愛の告白をしたかと思ったらペラペラと余計な事を喋り出したトキヤ。また、いつの間にかトキヤのペースだ。


「私は宙の全部を愛していますよ。宙は私の事、嫌いですか?」

「その質問ズルい。嫌いな訳ないでしょ。トキヤの事、好きだよ。大好き。」


ニコリと笑うと、トキヤがギュッと抱き付いて肩口に顔を埋めた。トキヤの頭を撫でるとまた一層腕に力が込められて、トキヤに包まれている感覚がとても暖かくて心地いい。本当に愛おしくて、大切な大切な彼氏様。


「私も、世界で貴女一人だけ…愛しています。」



     

fin

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