「帰る…」

「ハッ…出来るもんならやってみろよ」


どうせ無理だしと笑う貴方は、例えるなら悪魔。
くっ…なんて勝手な奴だ!よくよく考えれば今始まった事じゃないけど、とにかく離せー!!

えっ〜と、私はハイリア湖畔外れに暮らしてる健気で可愛い女の子!…テヘ!
なんて言ったら今私に対する全ての元凶であるコイツ…ダークにドコが?!とか言われてこれでもかというぐらい笑われるんだろうな〜…くそぉー!!


因みに現在私は、ダークの膝の上。
逃げようにもしっかり腰に腕を回され逃げられない。
沈む夕日が綺麗だな!


そもそも、こうなった原因は私にもあったのだ。あの時の自分を本気で呪いたい。
ほんの時を遡ること数分前…





久しぶりの晴天が嬉しくて、サンドイッチや林檎をバケットに詰めて湖の中央に位置する小島に来ていた。
勿論、この時は私一人“だった”。

のんびり寛ぎながらサンドイッチを頬張っていたらいつの間に現れたのか、ダークがサンドイッチを…それも、今の今まで“私が食べていた”サンドイッチを手の中から奪い取り、それを食べた。

………ん?食べた?



「―――〜〜!!!??な、なななー!!?」
「ん〜…流石は***の作った料理は旨いな!」
「誤魔化すなー!!」


くそ〜…突然現れたかと思えば何してんだよ!
というか…今のって今のって〜〜〜!!?か、かか、間接キ……
たちまち脳みそはボフンッと音を立てショート。

それを知ってか知らずか、ニヤリと微笑しながらこちらを見るダーク。


「(落ち着け私!)…で、何しに来たの?」


嫌味たっぷりに聞けば、ムッと眉を寄せた。
私も同じだと言いたいとこだ。


「折っ角***の為に来たのに、そういう言い方ねぇだろ?」
「いや、別に頼んでないし!てか、勝手に私のサンドイッチ食べないでよ!」
「いいだろ別に減るもんじゃねえし」
「減るよ!!!」


すると、ますます眉間にシワが寄って行くのが目に見えて分かる。
あぁ〜あれだ…。多分、いや恐らくきっと機嫌悪くした……うん。


「ご、ごめんねダーク!別に嫌いとかそういうんじゃなくてその…!」


ああぁぁあぁぁ!
ダークは怒らせると怖いし、何よりも何されるか分かったもんじゃない!奴には前科がある!
だからといって...って、何故私だけこんなに必死になってんだよー!!





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