神崎くんが寒いというからコンビニに入った。
肉まんかあんまんを買っていこう、という提案にこくりと頷いたもののどっちにしようか決めかねているみたいだったから、雑誌読んでるから決まったら声掛けてね、と告げたのにそのまま本棚のとこまでてこてこついてきて横にしゃがみこみ、必然的に目の前に並べられた週刊の漫画雑誌をパラパラ捲りはじめる。
決まったの?と聞いてみたら「おー」と気の抜けた返事を返されて、なら買ってこようと読むつもりで手にしていた雑誌を棚に置こうとしたらズボンを軽く引かれた。
見たら神崎くんがきゅっと握っていて、そんでもって俺を見上げていて、どうしたんだろうと首を傾げてみるとぷいっとまた漫画の方に顔を向けてでも手はズボンを掴んだままで。
「それ、読まねえの?」って興味無さ気に漫画のページを捲る神崎くんが言った。
え、それって何のこと?と分からなかったのは一瞬ですぐ神崎くんの言いたいことを理解する。
ああ、そういうことか。
大抵のことを自分優先で考える神崎くんが、俺のことを気にしてくれた事実に嬉しくなって顔がにやけてくる。よくよく見たらマフラーにうずめた神崎くんの頬が赤くなってて、余計にとまらない。自分もマフラーしてて良かったと口元を隠しながら先程戻した雑誌を手に取って、今度はぱらりと表紙を開いた。



------------------------
10.11.23〜10.12.11
拍手お礼でした
夏目は最初食べるつもりなかったんだけど神崎くんが買うのみてたら食べたくなっちゃって、結局神崎くんが選ばなかった方を買って二人で半分こしてたらいいと思います
ちなみに神崎くんはあんまんを選んだと思います





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -