姫神で姫ちゃんがゆかちーに嫉妬する小ネタ2つ。





( その1 )

最近神崎と花のコサージュつけた女(確か花澤とかいう名前だったと思う)がやけに仲良いのがムカつく。今も何か普通に話してて、神崎が女とまともに話してるとこなんて滅多にないから余計に苛々する。
妙に楽しそうなのも何もかもが気に障る。
そんな俺の目の前で神崎がその女に笑ったのにブツンと何かが切れた音がした。

「……ったりめーだろ、だって、うお!?」

「あれ、姫川先輩どうしたんスか?」

「…………」

「おい何だてめえ、腕放せや……っん!?」

「えっ?ちょ、姫川先輩!?」

あいつらが話してる最中に神崎の腕を掴んでこっちに引き寄せる。不機嫌な顔して俺を見上げる神崎にさっきまでの楽しそうな顔を思い出してカッとなって衝動的に唇を奪った。何だよ、俺にはそんな顔しないくせに、ムカつく。馬鹿野郎。
逃げようと藻掻く身体を片手でがっちり捕まえてもう片方の手で顎を固定して深く口付ける。

「む、ぅ…んン、ふ、う」

どんどんと胸板を叩く力無い神崎の拳もしらんぷりで気が済むまで貪った。
何分かしてようやく唇を離すと俺と神崎の舌の間に銀色の糸が繋がってそれに心が満たされるのを感じる。
顔を真っ赤にして涙目になって必死に酸素を取り込もうとはあはあ荒い息を繰り返す神崎がかわいくてその先もやってしまいたくなったが、これ以上はここでは出来ないから出ようとする手をギリギリ理性で留めて女の方を振り向く。

「これ、俺のだから。手ェ出すなよ。」

呆然としてる女に向かってそう言い捨てて、力が抜けてぺたりと床に座り込んでしまった神崎を抱き上げて教室を出た。








( その2 )

近頃何故かパー子こと花澤由加がよく話しかけてくる。
やっぱり俺のファンか、そうなのかパー子。
まあそんなことはどうでもいいし、会話の内容もくだらないものが大半でどうでもいいものばかりだが、別に悪い奴じゃないし何となく話しやすい奴ではあったから好きにさせていた。
そしたらある日そのパー子と話してる最中後ろから横腹を蹴り飛ばされ、それで壁にぶつかって座り込み咳き込んでいるところを肩に担がれて教室から連れ出された。
そのまま使われてないじめっとした埃臭い倉庫に放り投げられる。

「何のつもりだてめぇ」

「うるせーお前が悪い」

「何もしてねーだろうが!」

喧嘩を吹っ掛けた訳でもないのに、むしろやられた方は俺なのに。何でそんなこと言われなきゃいけない。
苛々が頂点に達してとりあえずぶん殴ろうと拳を握って立ち上がった。
そしたらだ。

「お前が!」

がっと肩を掴まれて再び床に引き戻される。

「花澤と、……っ」

眉間に皺を寄せて苦しそうな顔でそう訴えてくる姫川に、俺はようやくなんでこいつがこんなになっているのか気付いた。







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