暴力描写多め
( 相→神 )
「なぁ、何で?」
「ぐ…ぁ、が……っは」
「何でお前にまだ城山とか夏目はついてんの?」
「は、っなもん、しる…かよ……っぐ!」
「こんな弱いのに、あいつらも物好きだねー」
「るせ、っ、は……」
「おおっ何まだやんの?無理だってボロボロじゃないの、お前自分の状況わかってる?」
「ばーか、っ、こん…くれぇ、かすり傷、っにも、はいんねぇ……よっ!!」
「威勢だけは相変わらずだな本当、」
(弱いと知っているのに)
「っが、は!」
(俺の相手にならないなんて知っているのに)
「ぐ、ぅ……っ」
(それでも、こいつを見つける度に殴って蹴ってを繰り返す)
「……っの、くそ、やろ」
(俺も結局あいつらと同じ)
「いいな、その目」
(物好きってことだ)
「早く屈しちゃいなよ」
( かお神 )
我ながら酷いと思う。
目の前では恋人が顔をぐしゃぐしゃにして泣いていた。
殴った箇所は赤く腫れ、もう痣になっている部分もある。あまり原型を留めていない。醜い。俺がそうしたくせに。
涙と鼻水と血と嘔吐物で汚い顔を力任せに袖で拭ってやると先程よりは幾分かましになるもののでも腫れや痣が消えることはないから醜いままで、しかしながら傷口から滲み出る血と目から零れる涙は綺麗だと、欲情した。
「ひ、いやだ、やめろ、……っや!!」
無理矢理に服を剥ごうとすると暴れたから鳩尾付近に拳を下ろす。仰向けになっている身体に跨がって座り込み体重をかけた。苦しいのだろう咳き込んでいる。仰け反って晒された首筋のラインがおいしそうで、喉仏の辺りに吸い付いた。
「げほ、ッぁ…ひぅ」
引きつった声がかわいい。
ちゅ、と音をたてて唇を離すと赤い痕が小さく、色白なそれでもあまり血色のよくない恋人の肌に不気味に映えている。ぞくぞくとした快感と共に沸き上がる満足感、これは己の物だという所有の証を刻むことで征服欲が満たされていく。
「ぁ、じん、の…っ」
擦れた声で俺の名を呼んで伸ばしてくる手は拒絶する為か縋る為か。