天才ものまね士!!


調和大陸。争いがあるものの戦争などがない豊かな土地が多い大陸で十三の大陸に大きく分かれている。その第一の大陸にある首都コーネリアに向かう一人の旅人がいた。

「ボコー!!!」
「クエェェェッ!!」

彼の名は旅人バッツ・クラウザー。
世界から天才ものまね士と謳われているが、出生や出身などの個人的なことは不明で本人でさえも覚えていないらしいため、相棒のチョコボ゛ボコ゛と共に気ままな旅を続けていた。
今、彼はコーネリア国に到着し宿屋を探していたところ、とある男たちの会話を耳にした。

「覚えてるか?十年前に起こった事件!」
「あぁ……、ザナルカンドの王子で神殺しって称されてるお方だろ?
でも、あの国の王子様がいないとこの世界の天候が曇りと雨と雷と風しかなくなっちまうし」
「何せ海とか水を扱えるらしいしな……」

大変必要な方を幽閉されたなと言いながら会話をしている人の内容に興味を持ったバッツ。
この話は今からちょうど十年前に広がった王子幽閉話。
最初は自分ではただの噂だろ?な感じで聞き流していたが、どうやら本当にあった事件らしい。

この世界は天候の力を持つ゛神の力゛と呼ばれる力を宿している人物が五人ほどいる。
まあ知り合いで一人、神の力を持つ奴はいるが……まさかあの事件に関わりのある少年゛神殺し゛と呼ばれる人物でもあり、神の力を持つ者。あまりにも残酷過ぎる内容だった。

「すんませーん、さっきの神殺しの王子の話を詳しく教えて下さい!」
「あ、あぁ。その王子は太陽の神の力を持ちながら神殺しの力を持っているって話だ。しかも幽閉された場所はザナルカンドの海洋神殿の地下の最深部に仕掛けを厳重にして閉じ込められてるらしいしな。
だが、どこに地下の道があるのかは詳しくはわからないけどな」
「へぇー……、何でそんな詳しく知ってるんですか?」
「あぁ、ザナルカンドの王家直属の元兵隊をやっていたからな」
成る程〜……と言いながらバッツはザナルカンドに向かおうかと考えた。
バッツはそのあと、男の人たちと別れて宿屋を見つけ、宿屋の部屋に入って早速、テーブルの上に世界地図を広げた。
ザナルカンドは第十の大陸の大都市で世界的にも有名な国である。
だが最近は、神殺しの力とか幽閉とかで騒がれている。
バッツは地図を見ながら何処が近いか確認している。一番近いのは第七の大陸、ミットガル。
ミットガルは第七の大陸まで行かなければならない為に早起きしなければならかったが彼は楽しみで仕方なそうな顔をしている。
「よし。第七の大陸のミットガルに行こう!
確かそこから出る連絡船でザナルカンド行きに乗れば着くからな!そしたら明日は早起きだな」

そう言ってベッドにはいって寝た。
次の日、さっそく早起きをしてミットガルに向かう。
コーネリア国からミットガルはチョコボに乗って早くて九日で着くが雨が降るとかあると一週間以上かかってしまう。それもその筈、大陸から大陸移動は日にちが掛かってしまうがそれが旅の醍醐味でもあったバッツはそんな事も気にせずに相棒のチョコボのボコに乗って急いでミットガルへと向かった 。

*2016.07.05 一部内容修整&一部加筆


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