死人の願い


*シューインとティーダのみの会話
*少しティユウ、シュウレン要素あり

これは昔の彼と彼女の物語だった。
戦争でたくさんの人が死んだ。彼女は大切な恋人で戦争に駆り出されてしまう。
自分はそれが嫌で禁忌を犯して彼女と共にこの世を去った。

「そっか、シューインの物語はそれなんだな。俺は……」

これは彼と彼女の物語でした。
自分は見ず知らずの世界に来て、たくさんの罪のない人が殺されて……正直見てられなかった。
召喚士と究極召喚の真相、たくさんの戦争、自分自身の真相……シンの正体、世界に渦巻く死の螺旋……何れもこれも自分たちには重すぎる荷だった。
世界の願いが叶った瞬間に犠牲となる祈り子と夢の住人たち。そして 、自分の消滅。これが俺の物語。

「夢だった自分の消滅。」
「現実で犯した罪で亡くなって。」

自分たちはあまりにも儚すぎる存在だと感じる。
記憶の水の中に静かにいる男二人。先とか天井なんてわからない。
でも、何故か心地いい感覚だった。

「でも、ティーダはいつかはスピラに必要とされる存在になる。そして、夢から醒める夢になる」

シューインはそっとティーダの頬に触れる。しかし、ティーダは首をふってもうそんなことはないという。シューインは何故だとティーダに理由を問うと

「大切にされないと儚い存在の俺は消滅するんだ。」

そう。夢は未来を描くことと同じことでティーダが言いたいのは多分、

「夢は未来と一緒。願わなければ叶わないし行動しなければまた叶わない。そして、いずれか失ってしまったら直ぐに散ってしまう。」

ティーダは夢。夢を掴むには自分の描く夢を目指す。それが未来を描くことと一緒なことで。
ティーダと共にするには未来を願い、行動するしかないのだ。ティーダと居たいと、未来を共にしたいと思わなければ叶わない。
だが、レンに似たあの娘が出会った頃より強く願えばティーダは必ず彼女の元に還るだろう。
儚い夢、でも掴むことはできる。しかし、願い、行動がない限りは叶わない。
でも、もう死んでいる自分では償うことや生きるとかもう、なんにも出来ないけどでもせめて見守ろう。
自分という存在からできた儚き祈り子たちの夢よ。
どうか自分と彼女の代わりに永遠の幸せを掴んでくれますように……
超短いけど書いてみたかったから書いてみたらこりすぎてた……






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