お前は昔から、泳ぐのが好きだった
『ねぇ、つなみ!あっちの端まで競争しようよ!!』
お前は昔から、歌うのが好きだった
『〜〜♪ ふふっ・・・つなみも一緒に歌う?』
お前は昔から、藍色に光るすごくきれいな髪をしていた
『つなみってよく私の髪の毛触るよね!すきなの?』
お前は・・・お前は・・・昔から、俺の大切な人だった
『ねぇ、つなみ、大好きだよ・・・ずっとずっと・・・愛してるよ』
でも・・・そんなお前はその日俺と離れた後・・・いなくなった
「ねぇ、知ってます?おっきなさん家の娘さん、海に飛び込んで自殺したって」
「えぇ・・・残念ですよねぇ・・・。とても良い子だったのに」
にんじんさぁんっが・・・自殺・・・・
「おばちゃん!その話し聞かせてくれ!!」
俺がそのことを近所のおばちゃんから聞いたときはショックだった
にんじんさぁんっは、どうやら両親の仲が悪くなっていて、このまま家族がバラバラになってほしくなかったから、自分が死んで目を覚ましてもらおうと思い、死んだらしい。
多分昨日の告白は、自殺する覚悟を決めてだったんだ・・・。
俺は海を見つめた
オレンジ色に光る海がザッパァーンとなる
人魚姫(お前は、最後の最後まで俺をとりこにした)