くるくる




くるくる





すとん!




「天馬の髪おもしろい!!
いくら引っ張ってもすぐ元通りになるよ!」



今、俺の髪の毛で遊んでるのは幼馴染みの名前。



俺の…好きな人。

まぁ、本人は全く俺の気持ちに気付いていないんだけどね…。




「ちょ、ちょっと名前…。もうそろそろ良いでしょ?」


「ちょっと待って!あともう少しだけ!」



俺の髪の毛のどこがそんなに面白いんだろう。



相変わらず名前は俺の髪を引っ張ったりねじったりしている。






・・・






「あー、楽しかった!」


「満足した?」



「うん!」




昔から変わらない、ふにゃんとした笑い方。



そんな名前が可愛くて、仕方が無いんだ。





「うふふ、天馬!」


「う、うわ!!」



いきなり名前が抱きついて来たけど、勢い余って支えきれず後ろに倒れこんでしまった。



「いてて…。」


「ごめんね、天馬!」



驚いた顔をする名前。どうやら怪我は無いみたいだ。



「いや、俺は大丈夫。でもどうしたの?いきなり…抱き、ついてくるなんて。」


「うーん…。天馬が大好きだから、抱きつきたくなったの!」



「っ、え!?」



徐々に顔が熱くなる。


それは名前も同じらしく、顔は赤くないけど、あちーって言いながら手で顔を扇いでいる。



「…もう、まだ分からないのー?」



なにが、って言おうとしたら
名前の顔がどんどん近づいて来て、遂には口を塞がれてしまった。



反射的に離れようとしたら名前に肩を抱かれ、もっとお互いの身体が密着してしまった。



たった数秒の事なのに、

時間がかなり長く感じた。



「…ぷは、」


「ちょっ、名前…?こ、これって…。」


「んふふ!葵がね、天馬は鈍いから、これぐらいやらなきゃってアドバイスくれたの!」


「あ、葵が…。」



確かに、ここのところずっと葵と二人で話してたような…。


俺と信助は仲間外れにされてたんだけど、まさかこういう事だったとは…!!



頭の中がぐちゃぐちゃになっていたら、
名前に名前を呼ばれて我に帰った。




「…私の気持ち、受け取ってくれる?」




返事はもちろん





「…っ、俺で良かったら!よ、よろしくお願いします!」




葵に感謝、しなきゃね。

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