今日はサッカー部の1年のみんなで木枯らし荘でお泊まり会。


結局、剣城くんは参加してくれなかったけど…次回は絶対に参加してもらうつもりです!


そんなこんなで夜は更けて行き、
中学生の話題といえばやっぱり恋愛についての話。


「みんなは好きな人、いるの?」

私がそう言うと、マサキはニヤリと笑い、葵は名前ってばすぐその話題なんだから!と苦笑い。信助と天馬と輝くんは顔を赤くしてた。


「そういえば、天馬くんは好きな人、いるんだろ?確か…ムググッ」

「かっ、狩屋!!」


赤かった天馬の顔が余計赤くなる。


好きな人、いるんだ…。


その後はあの先生の授業は難しいだとか、サッカーの話だとか、金山理事長のモノマネとかをして笑い合ったり。


しばらく話してるうちに、

輝くん・マサキ・葵・信助の順番でみんな寝てしまって後は私と天馬だけ。


「天馬、眠くない?」

「俺は大丈夫だけど…名前、ちょっと外に出ない?」


時計を見ると夜中の2時。


大丈夫なの?って聞いたら案の定なんとかなるさ!の一言。


「怒られたら天馬のせいだからね!」


私達は忍び足でドアを開けて外へ出た。












外は思ったより暑くなく、夜風が涼しかった。


「気持ちいいねー。」

「うん、家の中よりも涼しいや!」


こうやって喋ってるだけなのに、好きな人と真夜中に歩いてる事が非日常的でドキドキした。


色々話しながら歩いてると河川敷が見えて来た。



「…ちょっと座って話したいな。」

「うん!あ、足元暗いから…はい。」


天馬が私に手の平を見せる。
応えるように手を握ると、
なんだかちょっと汗ばんでて。


でもちょっと寂しくて。



ー天馬くんは好きな人、いるんだろ?ー


さっきのマサキの言葉が胸に刺さる。



二人で並んで座って、私達の視線の先には川が月の光に照らされてキラキラ宝石のように輝いてる。



「俺、名前に伝えたい事があって。」

「…?」


何故かさっきから繋がれたままの天馬の手に力が入る。



「あの…俺、名前の事が好き、です。」


「えっ?…だって天馬は他に好きな人がいるんでしょ?」


「え!?居ないよ!さっきの狩屋の言ってた事なら…名前の事だし!!」


「う、嘘!?」


天馬は大騒ぎする私のほっぺを摘まんで捻るとほら、痛いでしょ?と言って笑った。痛いよ!もう!!



「名前の返事は…?」


天馬は顔を赤くして私の顔を心配そうに覗き込む。



「私も天馬が好き!」




天馬は暫くフリーズした後、夜中にも関わらず大きな声でやったー!!!!と叫ぶと私の肩を抱き、


「これからもよろしくね、名前!」


って眩しい笑顔で笑ったから、私もつられて笑ってしまった。



その後は手を繋ぎ直して。


サッカーの話をしてると空は少しずつ明るくなって、真っ赤な朝焼けが。



「綺麗だね…」


「うん…。天馬、こっち向いて。」


「え?」




チュッ




「!あわわ…!!」


「ふふ、天馬だーいすき!」


「お、おれも…」



その後は手を繋いで帰りました。
大好きな友達じゃなくて、大好きな彼氏と。



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