『』は全員でのセリフです。
今日は私の誕生日
土曜日だから学校も部活も無い。そこで、秋さんと天馬の提案で、木枯らし荘で私の誕生日パーティをしてもらうことになった。
天馬が呼び掛けてくれたらしく、サッカー部の皆さん全員集まってくださって、それだけでもとても嬉しかった
木枯らし荘に着くと、浜野先輩から【本日の主役】と書かれたお馴染みのタスキを受け取った。これを着けるだけでテンションが上がってしまうから不思議なんだよね!
パーティが始まり、室内にクラッカーの破裂音が鳴り響いた
『お誕生日おめでとう!!』
「ありがとうございます!」
お誕生日パーティなんて何年ぶりだろうか。自然と顔が緩む。
「名字、これは俺からだ。」
「俺はこれ!」
「えっ、いいんですか?ありがとうございます!」
キャプテンからはバー○リーのハンカチ、霧野先輩からは可愛い髪留めをいただいた。
「ハンカチーフは何枚持ってても足りないからな」
「ちーふ…」
キャプテン、ハンカチのことハンカチーフって言うんだ…。
気を取り直して、葵からはお揃いのストラップ。マサキからはリアルなカエルのフィギュア
「マサキ、このカエルに名前つけてあげてよ!」
「ん、そうだな…ぴょこぴょこケロちゃん…っておい、名前!何言わせてんだよ!!」
『ははははははは!!』
マサキのネーミングセンスが酷すぎてみんなで笑ってしまった。
他のみんなからのプレゼントも一通り開け終えた所で、私は異変に気付いた。
「あれ、天馬からは?」
葵も気付いたらしく、みんなの視線が天馬に集中した。
「ふっふっふ…じゃじゃーん!」
頭にペトッと赤いリボンを着けて満面の笑みでこちらを向き、とんでもない事を言い出した
「おれがプレゼントだよ!」
…えっ?
「ちょ、どういうこと!?」
それって女の子が身体にリボン巻いて、プレゼントはア・タ・シ!って言うやつじゃない!?
「まぁ、煮るなり焼くなり好きにしてよ!」
「え、あ、わかった…」
「いいのかよ!」
車田先輩、ナイスツッコミです。
ー 月曜日 ー
「キャプテン!おはよーございます!」
「おはよう名字。…ん?何だか妙に生き生きしているな。」
「やっぱ分かります?昨日、天馬をレンタルしてたんですよ。おかげで腰が痛くて。」
「こ、腰…?」
「?はい。でも、癖になっちゃいそうです!」
「お、おまえたち…まさか…」
「あ!それじゃあドリンク仕込まなきゃいけないので失礼します!」
「あ、あぁ…」
(霧野、俺は…大変な事を聞いてしまった…)
(神童!?何故泣いているんだ!)