明日からゴールデンウィーク!学校も部活も休みになる。サッカーできないのは少し残念だけど、たまにはゆっくりするのも良いよね。
放課後。練習とミーティングも終わり、帰る用意をしていた時の事。
「おーい、名前ー!」
「ん?どうしたの?」
天馬がスキップしながら寄ってきた。顔も緩んでるし、かなりご機嫌みたい。
「実はね、俺の母さんが稲妻町に遊びに来る事になったんだ!だから、名前の事も紹介したくて…!」
「えっ?えーっ!!??」
紹介って…えっ!?どどどどうしよう!!
「て、てんま…私、無理!!」
「まぁまぁ!もうすぐ河川敷駅に着くみたいだから迎えに行こう?」
「うわーん!!」
そして、遂に河川敷駅に着いてしまった。
「あ、居た!母さーん!!」
駅前のオブジェの前で綺麗な女の人が立っている。どうやらあの人が天馬のお母さんらしい。私が軽くお辞儀をすると、ぶんぶんと手を降ってくださった。
「天馬ちゃん、久しぶり!お友達も一緒なのね?」
「そ、その呼び方はやめてよ!この子は名前。俺の、か、彼女…。」
「は、はじめまして!名字名前です。いつも天馬くんにはお世話になってます!」
「まぁ!うふふ!天馬ちゃん、こんなに可愛い子がガールフレンドだなんて!」
「あ…ありがとうございます…!」
天馬のお母さんはすごく気さくな良い人で。心が温かくなった。
「とりあえず!木枯らし荘まで案内するよ!」
「うん、よろしく!名前ちゃんも一緒に行きましょう!」
「はい!」
木枯らし荘では、天馬のお母さんの歓迎パーティーの用意がされていた。
そして、皆さんのご厚意に甘えて木枯らし荘にお泊まりさせてもらう事になった。
天馬の部屋で布団を三枚敷き、並んで川の字になって寝る事に。
「ねぇねぇ、名前ちゃんは、天馬ちゃんのどこに惹かれたの?」
「えっ、ちょ、母さん!?」
「うーん、そうですね…どんなに強い敵でも、怖がらず立ち向かって行く所に惹かれちゃいました。」
「へぇ、そうなんだ!ふふ、嬉しいなぁ…天馬ちゃん!名前ちゃんの事、幸せにしてあげるのよ?」
「かかか母さん!何言ってるの!?」
「え、あの…!!」
「うふふ、照れなくて良いのよ!二人とも!」
天馬と私が…。
考えただけで顔がぼう、っと熱くなる。
ゴールデンウィーク最終日。私達は空港まで見送りに駆け付けた
「わざわざここまで来てくれなくても良かったのにー!」
「まぁまぁ。今度は試合観に来てよ!」
「また遊びに来てください!」
「ありがとう!あ、名前ちゃん、ちょっと…」
「あ、はい!」
天馬のお母さんに呼ばれ、近寄るとさりげなく耳打ちされた。
「将来の話、本気にしてるからね!松風名前ちゃん!」
「っ、」
「うふふ、それじゃあね!二人とも、仲良くやるのよー!」
「またねー!」
「さ、さよなら!」
そして、天馬のお母さんは搭乗口に向かって行った。
「名前、さっき母さんに何て言われたの?」
「な、内緒!!」
「えー!」
松風、名前…。
嬉しくて思わず顔が緩んでしまった。
天馬に相応しい女になれるように、頑張らなくちゃ。