あーーー、食った。


食い過ぎたし飲み過ぎた。
宴も終わりに近付いて酔い潰れた奴らが床にゴロゴロ転がって眠りこけている。

俺も何だか今日はスゲー眠い。

フラつく足で、眠るのに良さげな場所を探す。

甲板の方に出ると、ナミがよく昼寝をしているイスを見つけた。いつもはナミ専用だと言って寝かせてくれないけど今日ぐらいは良いだろ。

その上にごろりと横になって目を閉じると潮の匂いと海風が気持ちいい。ものの数分しないうちに眠りに落ちる。
すると、暫くしてモゾモゾと胸元で何かが動く気配がする。


重い目蓋を何とか開けると、一人掛けの狭いイスの上、無理矢理潜り込んだナミがいた。


月明かりだけだと顔の色まで見えないけど相当酔ってるな、コイツ。酒くせぇ。
しかも、手にも小瓶を持っていてまだ飲むつもりらしい。

目と目が合うと、小さく笑ったナミが俺の首に腕を巻き付けてキスをしてくる。
チュ、チュ、とジャレるように。

狭いイスの上でナミが落ちないように腰に腕を回して抱き寄せると、またナミの口からくすぐったそうな笑い声がもれる。
ナミが更にギュッとくっついてきて、俺のほっぺたに、首に唇が押し当てられる。
酒で潤った冷たい唇が気持ちいい。


コイツ、誘ってんのか?
ナミから誘ってくることなんて滅多になくて、これはかなりキチョーだ。
いつもならどっか空いてる部屋に連れ込むか、ナミが嫌がらなければこのまま外でも気持ちいいことしちまうんだけど、今日はダメだ。眠気に勝てねぇ。

だけど、ノリノリのナミを手放すのも惜しい気がして、腰に回した手だけを動かしてプニプニつまんだり、人差し指で撫でてみたり、肌の感触を楽しむ。
少し汗ばんだ肌がペタッと貼り付くけど不快じゃない。

ナミの口から鈴の音みたいな可愛らしい笑い声が漏れて、でもそれだけじゃ足りないというように甘えた声で俺を呼ぶ。

何で今日に限ってそんな可愛いことするんだ。ズルいだろ。


そんなことを考えつつも、どんどん眠気に引き込まれて行く。


ナミが俺の上着を掴んで何とか起こそうとしてくるんだけど、ごめん。今日はホントに無理そうだ。三日三晩寝ずに宴なんてするんじゃなかったな。

バカ、アホ、まぬけ、何か色々ひどいことを言われてるけど仕方ない。
明日起きたら嫌と言うほど構ってやるから。


けど、明日になったら気まぐれなコイツは「今日はそんな気分じゃない。」とか言い出すんだろうな。
そうはさせないように、両腕を回してナミが逃げないようにしっかりと抱き込んだ。

さっきまでナミからベタベタくっついてきたくせに今度は離せ離せと騒ぎ出す。
最後の力を振り絞って重たい頭を動かして、そのうるさい唇を塞ぐと何とか抵抗も大人しくなって、俺はまた寝やすい体勢に戻る。


寝るのがもったいないなんて、生まれて初めて思ったな。

明日は覚悟しておけよ、と。
耳元で俺の意思だけ伝えておく。

ナミが「えっ!?」と声を上げるよりも先に、俺は完全に眠りに落ちた。















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ドフラミンゴ戦が終わったら、離れてた分これぐらいイチャついてくれたら良いなぁ、と。






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