PiPiPi from:ノミ蟲 sub:シズちゃんおねがい -------------------------------- ラップ切れてるの忘れてた 帰りに買ってきて(^□^人) ―END― ♪〜♪♪〜 from:シズちゃん sub:Re;シズちゃんおねがい -------------------------------- そんくらい自分で行け ―END― PiPiPi from:ノミ蟲 sub:Re;シズちゃんおねがい -------------------------------- そこをなんとか(人^□-)☆ 今日はシズちゃんの方が帰るの早いんだってば! ―END― ♪〜♪♪〜 from:シズちゃん sub:Re;シズちゃんおねがい -------------------------------- 顔文字うぜえぞ ―END― PiPiPi from:ノミ蟲 sub:Re;シズちゃんおねがい -------------------------------- ウィンク可愛いだろ?(人^□-)☆ ねえお願いってば!(^□^人三人^□^) ―END― ♪〜♪♪〜 from:シズちゃん sub:Re;シズちゃんおねがい -------------------------------- ついでにプリン買っていいか? ―END― PiPiPi from:ノミ蟲 sub:Re;シズちゃんおねがい -------------------------------- しょうがない、一個だけね 「ただいまーシーズちゃん!ラップありがとう!旦那様のお帰りだよ!出迎えはどうしたのかな!?」 ぱたぱたという軽い足音を立ててリビングの方へと足を進めるのは、家主である折原臨也だ。だらしなく顔が緩みきってさえいなければ、道行く人はみな彼の美しさに見惚れることだろう。 そんな彼とは対照的に、床板を踏み抜きたいのかと疑うくらいに大袈裟な音を立てて廊下を玄関の方面へと歩くのは、平和島静雄である。顔に血管さえ浮かんでいなければ、100人中100人が美丈夫だという感想を述べることだろう。 そんな二人は、一つ屋根の下で砂糖よりも甘い同棲生活を送っている、らしい。(折原氏談) 「おかえりなさいませ、ノミ蟲くん!誰が旦那だ?ああ?」 「俺だよシズちゃん!だーれの稼ぎで暮らしているのかな?」 「俺だって働いてんだろうが!」 「辞めていいって言ってんのにね!さっさと専業主夫になれよーシーズちゃん!」 その言葉を皮切りに、がばっと両腕を開いた臨也が静雄に飛びついた。細かろうが軽かろうが、臨也も立派な成人男子である。常人ならばバランスを崩してもおかしくない状態だが、そこはそれ、彼は平和島静雄なのだ。 「っぶねーな!」 体に手を回してぎゅうぎゅうと抱きついてくる臨也を片手で支え、静雄はもう片方の手を臨也の後頭部に回した。悪態とは裏腹なその態度に、臨也はにいっとくちびるを歪めて静雄のくちびるに噛みつくようにキスをする。 「んっ、んっ……シズちゃん……」 うっとりと、まるで夢見る少女のように静雄の名前を口にしながら、臨也は静雄のくちびるを貪った。見目だけはどこまでも麗しいこの男の、どうしようもなく腐りきった中身を知り尽くしている静雄だが、それでも臨也を愛しく思う気持ちは真実でしかない。 「……おかしな声出してんじゃねえよ……ぶちこみたくなんだろうが」 「いやーん大胆」 「うるせえ、手前がエロい声出すからだろうがよ」 臨也の尻を鷲掴みにして揉むように愛撫しながら、静雄は臨也の首筋に吸いついた。甘く息を吐きながらでも、やめろよ馬鹿と悪態つくのをやめはしない臨也が、静雄は可愛くてたまらないらしい。 「だめだって……廊下だよ」 「煽ったのは手前じゃねえか」 ちゅうちゅう肌に吸いつきながらのくぐもった声に、臨也はぶるっと背筋を震わせた。ままならない感情に振り回されて殺し合っていた頃から変わらずに、臨也は静雄の声が好きだ。何の感情もこめずに発せられるだけのそれが、自分のためだけに燃え上がる瞬間を見るのが好きだ。 いたずらに蠢く頭を両手で鷲掴みにして引き剥がしてから、臨也は静雄のくちびるをちろりと舐めた。見せつけるように出した舌に素直に見惚れ、ごくりと動く喉が可愛いと臨也は思う。 「だめだよ。お腹空いたから、先にごはん。次は風呂。そのあとは一緒にお茶を飲もう。シズちゃんプリン買ってきたんだろ?」 「買ってきたけど、やらねえぞ」 「いらないよ。プリン食べてる君を見るので忙しい」 そんなからかいまじりの言葉に、静雄はぼっと顔を赤らめた。散々ヤることヤッているのに、こういうところは変わらない。そんなとこも好きだなあとお花畑を頭に広げた臨也に、静雄がふと口を開いた。 「そういやおつかいしてやったよな?なんかくれよ」 「たかがラップで大袈裟な」 「たかがラップを買ってこい買ってこいうるさかったのは手前だろうが」 「……わーかったよ。わかった。何がほしいんだよ」 こうさーん!と両手を高く掲げた細い体をぎゅっと抱きしめて、静雄はその耳にそっと囁いた。 「かゆいところはございませんかー?」 「右耳の後ろ……」 「はいはーい」 白く煙る視界の端で、これまた白い泡がふるふると揺れている。風呂用の小さな椅子に座る静雄の後ろに立ち、臨也は今、金色の髪を洗っているところだ。濡れないようにと袖と裾を捲ったせいでちらちら見える肌もまた白い。ここは白いもんしかねえのかと、静雄は揺れる頭でそう思った。 奮発してあげる、そう言って笑った臨也がてのひらに乗せたのは、臨也が好んで使う高いシャンプーだったと思う。風呂上がりの臨也から漂ってきていた香りに包まれるのは、妙にくすぐったい気分だった。まるで臨也に抱き締められているような、そんな感じだ。 「泡流すね」 コックを捻り、自らの手でシャワーの温度を確かめながら、臨也が静雄に尋ねる。まだ物足りない静雄は、ぶすっとくちびるを尖らせて抗議した。 「もうちょっと洗えよ」 「えーもういいだろ。大体なに甘えてんだよ、なんだよ、髪洗ってくれって小学生かよ」 「甘えたっていいじゃねえか。俺ら付き合ってんだぞ」 「……俺、君のそういうとこ嫌いだなあ!」 静雄が言い返すより先に、臨也が静雄の頭の上にシャワーヘッドを持ってきた。勢いよく流れていく泡が、油断しきっていた目を攻撃して地味に痛い。ああそこは普通なんだね、ほっとしてるんだか残念なんだからわからない顔でそう言った臨也の声が頭に響いた。 「っ、に、すんだこら!ああ!?」 「もうほんとにいやだ、君はどうしてそう恥ずかしいのかな。あーやだやだ、ほんとやだ」 ぎゃんぎゃんわめくそれがただの照れ隠しだと、これだけ長く一緒にいれば嫌でもわかる。可愛いじゃねえかクソ、そう素直に思いながら、静雄は泡にまみれた臨也の手を握った。 「……顔赤ぇぞ」 「のぼせたんだよ」 「なに言ってんだ、風呂入るどころか服も脱いでねえくせによ」 からかうような声音にムッとした臨也だったが、すぐににやりと笑って静雄の指に指を絡めてぎゅうっと力を込めた。そうして、鼻先が触れてしまうのではないかというほどまでに、ぐっと距離をつめる。 「だって……君が脱がせてくれると思って」 ぽた、と臨也の黒髪の先から、水滴が落ちた。いつの間にかシャワーの湯でもかかっていたのだろうか、濡れて張りつく前髪を掻きわけて、つるんとした額にキスをする。すり寄ってくる細い体を、拒む必要がどこにあろうか。 「濡れんぞ」 「脱がせて」 「俺の髪が先」 「わがままなんだから」 くすくす笑いながら、臨也がゆっくりと静雄の髪を洗い流す。耳の後ろを這う指の動きにうっとりしていると、不意に臨也が思い出したような声を上げた。 「そういや、俺の最後のメールちゃんと読んでないでしょ」 「あ?読んだっての。返さなかっただけだ」 「うそうそ。あれ読んで返信しないわけないし……終わったら、ちゃんと最後まで読んでね」 「だから、っ、」 最後まで言わせまいとするかのように、臨也が後ろから手を回して静雄の顎を掴んだ。そのまま持ち上げて、強引に上を向かせた顔の上に、臨也が覆い被さってくる。ずいぶんと無理のある体勢に似合わないくらいに可愛らしいリップ音を聞きながら、静雄は侵入してくる舌を優しく舐めた。 from:ノミ蟲 sub:Re;シズちゃんおねがい -------------------------------- しょうがない、一個だけね 追伸 今日も死ぬほど愛してるよ 早く君にキスしたい ―END― 20111030 |