キミの為に
白雪様 リクエスト


―――――――――――――――――――

※ST☆RISH成人済み
※那月と主人公同棲中












ST☆RISHの一人、四ノ宮那月くん。

私はそんな那月くんだけの作詞家。

アイドルと作詞家。

そんな関係から、恋人になって三年。

那月くんは付き合い始めてから何も変わらない。

私も…





…変われない。



















「あ、翔くん。」


「よー、お疲れー。」


「お疲れ様。」



私達は那月くんと翔くんの新曲のレコーディングが終わった後、打ち上げをしようと集まった。

私は仕事が一段落して、待ち合わせのお店へ行くと、まだ翔くんの姿しかない。



「那月と一緒じゃないのか?」


「うん、私の仕事が長引いて…先に向かってって言ったんだけど…。」


「まぁ、そのうち来るだろ。
先に飲んでようぜ。」


「そうだね。」






―――――――――――………






「そーいや、お前らさ」


「ん?」


「やっぱ結婚とか考えてんの?」


「ぶっ!!」



あぶなかったー。

危うく飲み物吹き出すところだった…

翔くんは苦笑いで私を見ている。



「ごめんごめん」


「大丈夫だけど…どうしていきなり?」


「いや……
那月が幸せそうだからさ、考えてんのかなぁって」


「那月くんはアイドルだよ?
そんなことしたら…ただてさえ早乙女さんに無理にお付き合いを了承してもらってるのに…」


「でも、那月だって人間だ。そういう素振りとかないのか?」


「……ない。
那月くんは、付き合った頃から何も変わらないよ」



私への態度も、

過ごし方も、

何も変わらない。
























―――Prrr…



那月くんから電話だ。



「もしもし?」


『名前ちゃん?』


「うん。どうしたの?」

『今日は帰れそうにないんです…。
ごめんなさい…。』


「ううん!お仕事なんでしょ?
頑張ってね!!」


『はい!
名前ちゃんの為に頑張りますね!!』



―――ガチャ…



「…帰ってこないのか…。」



寂しいな…

今日は一人か。

じゃあ、さっさと寝てしまおう。





















那月くんは朝になっても帰ってこなかった。

まぁ、当たり前なんだけど。

なんだか…いつもと違うような…

気の性かな。



―――夕方



「名前ちゃん、ただいまー!」


「お帰り、那月くん!」


「ギュー!!」


「はいはい」



私達はいつものように抱きしめあう。

一日会えないだけで
こんなに寂しいなんて思わなかった。






―――――――――――………






「昨日はごめんね」


「ううん、しょうがないよ」



食事をしながら昨日の事を話す。

心なしか那月くんがいつもより楽しそうに見えた。



「そういえば、なんで昨日は遅くなったの?」


「ふふっ、
それは食事の後にお話ししますね。」


「?」



私は不思議に思ったが、那月くんがとっても楽しそうだったから
素直にそれ以上は聞かないことにした。






―――――――――――………







私達は食事を食べ終え、食器を片付けた。

静かになったリビングで、那月くんがニコニコしながら私の事を待っている。



「名前ちゃん、来て下さい」


「どうしたの?」


「ふふっ」



那月くんは私の手をとると、ぐいっと引き寄せた。

自然に私は那月くんの脚の間に座る形になった。

そして私をギューっと抱きしめる。



「名前ちゃんは僕のこと大好きですか?」


「大好きだよ?
いきなりどうしたの?」



なにか那月くんを不安にさせることを私はしてしまったのだろうか。

そんな考えが私の頭を過ぎる。



「僕も名前ちゃんのこと大好きです」


「うん」


「そんな僕の大好きな名前ちゃんにプレゼントがあるんです!」



那月くんはそう言うと、自分のバックからなにかを出した。

昔からそう。

那月くんは突然プレゼントをくれる。

そのプレゼントに私は毎回喜ばされる。



「今日は何をくれるの?記念日でもイベントでもないけど…」


「ふふっ、目を閉じてくれませんか?」


「ん。」



私は黙って目を閉じる。

那月くんはおもむろに私の手をとる。

そしてゆっくり指に口づけると、手を離した。

離した手にはさっきまでなかった重みが。



「開けていいですよ」



ゆっくり目を開く。

開けるとさっきと変わらない那月くんの笑顔。











「愛してます、名前ちゃん」




その言葉と一緒に送られたプレゼントは、
私の涙腺を緩ませるには十分過ぎた。



「那月くん…これ…」


「はい、婚約指輪です!
ねぇ、名前ちゃん…結婚してくれますか?」



那月くんは柔らかく微笑んだ。私もつられて笑顔になる。

私は溢れる涙を拭うこともせず…



「はい!!」



とだけ言い、那月くんに抱き着いた。



「ありがとうございます、名前ちゃん!」


「ううん、私の方こそありがとう…那月くん」



私達はまだ幸せの余韻に浸っていたく、少しの間そのままでいた。






―――――――――――………






「ねぇ、那月くん。
もしかして昨日帰ってこなかったのは…」


「はい!本当はお休みだったんですけど、社長に結婚の許可をとりに行ってました!
なかなか許してもらえなくて、丸一日かかっちゃいましたけど…。」


「…那月くん、ありがとう」



社長から許可をとるのなんて、そんな簡単なものじゃないのに
私の為に貴重な休みを犠牲にしてまでお願いに行ってくれた。



「ふふっ、名前ちゃんの為ですから」



そしてふと思い出すこの間の会話。



「那月くん、このことは一番最初に翔くんに言おうね」



私達のことを一番気にかけてくれて、気づいてくれた翔くんに。



「はい!」



私達、変われたよ。




















――――――――――――――――――――


白雪様 キリ番リクエスト

・那月に求婚される甘い話


長らくお待たせしました!!

那月くんです!

久しぶりにギャグではないお話です。

スッゴく楽しく書かせていただきました。

那月はオシャレにプロポーズするイメージはあまり無かったので、
お家でプロポーズになりました。

私は一番那月が好きなので、書くのには苦労しませんでしたが、貯まっていた作品を書いていたら遅れてしまいました…
(´;ω;)

すみません…。

リクエストありがとうございました!





prev next

bkm
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -