雨と傘と隣。
ぱせり様 リクエスト


――――――――――――――――――










暗くなってきた。

朝から、"天気悪くなりそう…"とは思ってたけど…。



「こんなに降るなんて。」



雨は傘のない私にアピールするように、ザンザンと降る。

折りたたみすら持ってない私が、どうしたことやらと思っていると、翔くんが寄ってきた。



「どうしたんだ?さっきからずっと外見てるけど…。」


「翔くん…、いや、傘無いなぁと思ってさ。」


「天気予報見なかったのかよ。午後から大雨だって言ってたぞ?」


「…寝坊したから見てないわぁ。」


「なんなら一緒に帰るか?」


「そうだn…「抜け駆けはいけませんよ、翔。」



な・ん・か・来・た・!

あぁ、めんどくさくなりそう…。



「そうだね、レディ。」


「めずらしい、レンも来たの?」



女の子を連れてないVerのレンが私の肩を抱く。



「考えてごらん?翔と相合い傘して帰るとすると…」

「帰るとすると…?」


「レディが傘を持たなくてはならないのさ。」


「あぁ、そうだねぇ!」


「納得するな!!」



確かに、私は翔くんより少し(?)背が高い。



「でも、他の人でもどうせ同じよ?」


「ん?」


「私が男の子と相合い傘して帰るだけで、"付き合ってる"とか思われて、学園長に捕まる。そしたら、誰と帰ったって、同じだと思うわ。」


「同じなら、私と一緒に帰りましょう?」


「んー……」



トキヤと一緒に帰ってもいいんだけど、後で友千香ちゃんとか春歌ちゃんがなぁ…。



――ガラガラ!



「翔ちゃーーん!一緒に帰りましょう!」


「トッキヤー!来たよー!って…」


「名字も居たのだな」


「チッ…、タイミングの悪い。」



おそらく、翔くんを迎えに来たのであろうAクラスの三人が教室まで来た。



「ほら、三人とも、迎えが来たから帰りな?」


「お前はどうすんだよ」


「…春歌ちゃんか友千香ちゃんを呼ぶよ。」



しょうがないから、二人に協力してもらおうかな。

このまま、みんなに迷惑(?)かけられないし。



「名前ちゃん、傘無いんですか?」


「そうなの?だったら一緒に帰ろうよ!!」


「そうだな。七海達を呼ぶより早いだろう。」



今、遠慮したのに。

Aクラスが来たことで最初に戻ったよ。



「いや、いいって。」


「遠慮するな。」



いや、めんどくさくなるから遠慮してるの!

分かって、真斗!!



「じゃあ、僕の傘に入って帰りましょう!」


「「「ダメだ!」」」


「レディ、みんなは放っておいて、先に帰ろうか」


「「「ダメだ!!」」」


「では名前。一緒に…」


「「「ダメだ!!!」」」


「なんで私だけ被せるんですか!!」



うん。

今のはかわいそう。



「ねぇ、レディ?」


「なに?」


「レディは誰と帰りたいんだい?」



レンが私にそう聞くと、六人が一斉にこちらを向いた。

…ここで"春歌ちゃん"とか言ったら、怒られるんだろうな…。



「えっと…。」



どうしよう…。

みんな目がキラッキラしてるよ。

いや…ギラッギラ?

果して、名前が選んだ人は!?的な?

いや、冗談にならないな…。

ここをどう切り抜ける、名字名前!!



「名前ちゃん居ますか?」


「春歌ちゃん!!!」



天使だ!!!!

降臨したよ、天使!!!!



「あの、一緒に帰りたいなって…。」


「帰ろう!さぁ、帰ろうか!!」



ありがとう、春歌ちゃん。

貴女のおかげで…



――グイッ!!



「キャッ!!」



逃げようと思ったら、引っ張られた。



「どこに行くんですか、名前。」


「いや、帰ろうかと…」


「レディ?期待させておいて、逃げるのかい?」


「あなたたちが勝手に期待しただけです!!」









「あの…なにを揉めているんですか?」


「誰が名前と相合い傘するか、だってよ。はじめに言ったの俺なのに…。」



そうだよね!!

本当にさっさと帰れば良かったよ、翔くんと!



「え?」



それを聞くと、春歌ちゃんはオロオロしはじめた。



「…あの、みなさん!」


「なんですかぁ?」



私も含め、みんなが春歌ちゃんを見る。















「雨…やみましたけど。」












「「「え!?」」」




うん。

空には綺麗な虹が。



「…みんなで帰りましょう?」







(まったく、名前が早く決めていれば…)(知らないわよ。)(レディも罪な女性だ。)(あなたにだけは言われたくないわ。)(困ってる名前ちゃんも可愛かったです!)(そうかい。良かったねぇ。)(…相合い傘…。)(そんなにしたかったの?真斗。)(あーあ。折角のチャンスだったのになぁ。)(なんのチャンスだよ。)(…俺が最初言ったのに!!)(うん、そうだね。一番可哀相かもね、翔くん。)







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ギャグになっていたでしょうか
”(ノ><)ノ

オチ指定がなかったので、春歌ちゃんにしちゃいました。

レンちゃんって、みんなの事、なんて呼ぶかイマイチわかりませんね…。

雨…管理人は大好きです。

というか、水が好きです。





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