甘えたいときに甘えればいい








QUARTET NIGHTがライブを行った。

しかも、各地で。

もちろん東京を離れ、何日もかけて。

普通のアイドルだったら普通の事だろうが、生憎QUARTET NIGHTはあまり活動してなかった方だ。

決まったときはびっくりした。

そして今日、みんなは東京に帰ってくる。

最後のライブは東京。

でもみんなは、ライブ会場近くのホテルに泊まるらしいから、藍ちゃんに会えるのは明日になる。

しかも、私の仕事の都合で最後のライブは見に行けない。

電話もメールもして連絡をとっていたから、寂しくない…と、言えば嘘になってしまうが、こんな長期間離れていたのは初めてだから不安だった。



「早く会いたいな…」



私は布団をかぶり、呟いた。






―――――――――――………






次の日

藍ちゃんは、もちろん夜までライブ。

私は事務所から呼ばれ、結局帰るのは夜になってしまった。

とりあえず、携帯を取り出して藍ちゃんに連絡。



―――――――――――

From 美風藍
Sub 今


どこに居る?

私の家?藍ちゃんの家?


―――――――――――



返信はすぐに返ってきた。



「私の家か…」



了解、とだけ打って返信

片付けたっけ?なんて思いながら、私は歩くスピードを速めた。





数十分後、やっと家に着いた。

外から見ると、部屋の明かりがついていて、藍ちゃんが居ることを示す。

足早に階段を上り、鍵を開ける。



「ただいまー」



返事はない。

不思議に思いながら部屋に入ると、ソファの上でぐったりしてる藍ちゃん。

これはヤバいと思い、近づくが藍ちゃんは寝ているだけだった。

いくらロボットでも、今回のライブは疲れたんだね。

私は寝室から毛布を持ってきて、藍ちゃんに掛ける。

とりあえず、今は休ませてあげよう。














――ガバッ!!



数分後、藍ちゃんは思いっきり起きた。

キョロキョロと周りを見渡して、床に座って雑誌を読んでいた私を見つけると、勢いよく抱き着いてきた。

私たちはそのまま床に倒れた。



「ど、どうしたの藍ちゃん…」


「…………………」



藍ちゃんは何も言わずに私の首に回してある腕に力を入れる。

何をしたらいいのかわからずオロオロする私。

とりあえず背中を摩ってあげる。



「本当にどうしたの?」


「……………ボク、」


「ん?」


「………こんな感情初めて知ったよ」


「…?」


「……淋し、かった」



そう言うと、藍ちゃんはまた強く私を抱きしめる。

顔は見えない。

けど…、今藍ちゃんは泣きそうな顔をしているのかな…?

ロボットなんだから、泣けないよって昔言っていたのを思い出すけど、それはその感情を知らなかったから?



「…琉依に会えなくて、早く会いたくて家に来たけど居なくて…」


「…ごめん。もっと早く帰ってくればよかったね、私」


「本当だよ…」



ゆっくりと藍ちゃんが顔を上げた。



「…こんなに琉依に依存してたなんて…」


「なに?藍ちゃんデレ期…」


「うるさい」



ちょっと調子に乗ったら、デコピンされた

痛っ、と小さく言う私を見て藍ちゃんは少し笑う。



「けど…、やっぱり琉依が好きだよ」


「…あ、藍ちゃ……んっ…」



照れ隠しなのか、少し強引にキスをされた

そんな藍ちゃんが私も大好きだよ。













(私はいつだって傍に居るから)



















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