彼らは女神に呪われた | ナノ

初めて聞いた従者の理由  




















「ねぇ、美嘉ちゃん
なんでいつもトキヤくんとレンくんと翔ちゃんと一緒にいるんですか?」



那月の素朴な疑問だったのだろうこの質問

私的にはツボだったね、誰にも言わないけど



「そういえば、言ってないなぁ…」


「?」


「あ、なんでもないよ
えっと、何で一緒に居るかだったよね」



わざわざ食堂で話すこともないけど…

ま、聞きたいならいいかな



「私が集めたの、三人をね」


「集めた?」


「うん
まぁ、言っちゃうと私の趣味だね」



趣味…、と小さく呟いた那月は凄く可愛かった

こんなこと理解できる人なんて少ないから、那月にはわからないよ

多分、ね



「美嘉とシノミー…
珍しい組み合わせだね」


「あ、レンくんっ!」


「レンこそ珍しいじゃない、食堂にいるなんてさ」


「今日はなんとなく、ね」



それとなく隣に座る

レンは食欲がないみたいで、パンを一つ持っているだけだった



「今、レンくん達のことお話してたんですよ?」


「オレ達?」


「レンとトキヤと翔
那月にね、なんで一緒に居るの?って聞かれたから…」



なんで一緒に居る、ねぇ…と呟く



「まぁ、必然なんだよ、シノミー」


「必然…ですか?」


「うん
オレとハニーは一緒に居る運命だったんだ」



適当に回避しやがったな、レン

ありがたいけどさ

必然、なんて言葉はなんにだって使えるじゃないか

本当は一緒に居る理由なんて別にないんだよ

この三人だった理由はあるけどさ

くっだらないから教えてないんだ

トキヤにもレンにも翔にも

あと、びっくりされちゃうかも

いろんな意味で…






―――――――――――………






「で、本当はどうなんだいハニー」


「なにが?」


「オレ達が一緒に居る理由」



私は自分の部屋に戻る途中、レンに捕まった

いいじゃないか、過ぎたことは

とは、言えないよなー



「なんでだろうねー」



部屋の前に着いたら、レンがドアを開ける

ちょっと不機嫌

そんなに聞きたいのか、理由が

くだらないって思うだろうな…

私は鞄を机の上に置き、ソファに深く座った

そして教えた通り隣に座るレンを、糸も簡単に押し倒してみる

レンの綺麗な髪がソファに散らばる



「…私が出会ったとき、三人は従順な子になってくれそうって思ったの
人の愛しかたを知らない子達だからこそ、そういう知識を入れるにはもってこいじゃない?」


「………所詮遊ばれてたのかい」


「そんなわけないわよ
私は純粋に貴方達を愛せると思ったもの
だから、貴方達にも愛して欲しかった」


「じゃあ、ハニーの見事勝利ってことだね」


「そうね」



レンの腕は腰にまわる

その理由なんて、ただの私の我が儘なのよ

私が寂しかったから

愛して欲しかったから…

本当の愛が欲しかった……、私の我が儘

さらさらなレンの前髪をよける

私の唇は首筋から鎖骨にキスをしていく



「…んっ…………」


「…可愛い」


「……ハニーは意地悪だよ………」


「そう?」



レンってば本当、可愛い

このまま食べちゃおうか

でもまだ夕方だから、トキヤと翔が帰ってくるかもしれないな

そしたらみんなで?

…………翔には早いか



「…オレ以外のこと考えてる…?」


「…ごめん、いろいろ葛藤がねぇ。もうすぐトキヤ達が帰ってきちゃうー、とか…」


「食べてもいいよ?…教えてくれたから」



可愛く笑うな、馬鹿

ほんと、キミは受けだな



「レンがシて欲しいだけでしょ?
おねだりは?」


「……オレをハニーでいっぱいにして?」


















初めて聞いた従者の理由
(私の身勝手な思いから始まったの)








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