罰ゲームとかもういいよ…












休日…

それは学生にとって、一番楽しみな日

そんな日に聞こえる聞き慣れた着信音



「誰だよ…」



ゆっくりできると思ったのに…

携帯を見ると、"一十木音也"の文字



「しょうがない」



私は通話ボタンを押す



「ねぇ、桜ちゃん、今みんなでゲームしてるんだけど…「行く!!!」



私はさっきまでのイライラを忘れ、身支度をした






―――――――………






「ピーンポーン!」


「口で言う!?」



私は誰の断りもなく部屋に入っていく

部屋には、
音也くん、翔くんと………



「桜!
待っていましたよ!!」



両手を広げている一ノ瀬くん



「音也くん、聞いてない、私」


「うん!俺も言ってない!」


「音也くんが味方じゃなくなった!?」


「だって、面白そうだったんだもん!」



キラッキラした笑顔で言われても…

悪気はなさそうだからしょうがない



「って、何のゲームしてるの?」


「マ○オカート」



まぁ、定番だからな

それなら……



「でね、ただやるだけじゃつまんないから、勝った人が最下位の人に罰ゲームを指示してるんだ」


「…罰ゲーム?」


「うん。罰ゲーム!」



言っておこう

私はゲームが好きだ

だが、得意ではない

イコール……

罰ゲームは私が受けることになる…?



「帰ります」


「ちょっと、待てよ桜!ゲームやろうぜ!」


「ごめん。翔くんの頼みでも、これは回避しなければならないんだ」



ただの罰ゲームならいいけど……



「是非、罰ゲームを受けてください!私が指示してあげます!!」


「こういう人がいるからぁ!!」


「いいじゃん、桜!ゲームしよ?」



音也くんがどうしてもと言うので、私が折れた






―――――――…………







「ちょっ、なんでよ!?」


「やった!!俺、一位だ!!」



第1レースの結果

1.一十木音也
2.来栖翔
3.一ノ瀬トキヤ
4.月成桜



「後少しだったんだけどなぁ…」


「何故私は3位なんですか!?」



私が一番絶望的だよ、みんな

音也くんだから、まともな指示だといいんだけど…



「ん〜…、どうしようかな〜」


「お手柔らかにお願いします…」



音也くんはニヤニヤしながら私を見下ろす

なんかすごい図になってる気が……



「じゃあ、キス…「させませんよ、音也!!」


「いいじゃん!!ちょっとくらい冒険したって!!」


「私から変態の座を奪おうなんて、100年早いんですよ!」


「いらないよ!!ただ、ちょっとイチャイチャしたかっただけで!!」



…一ノ瀬くんよりはマシだけど…

やっぱりダメだよ



「…しょうがない。じゃあ、ちょっと来て?」



私は音也くんの近くに行く

すると、クイッと腕を引っ張られ、私は音也くんの膝の上に座るようになってしまう



「…重くない?」


「全然!罰ゲームは第2レースが終わるまでこのままね」


「いいけど、ゲームやりづらくない?」


「え?ヤりづらい?」


「最低」


「ちょっ、ごめん!ごめんってばぁ!」


「イチャイチャすんじゃねー!!!」



恋人オーラに耐え兼ねた翔くんが顔を赤くしながら立ち上がった



「してない」


「音也も何気なく腕をまわさないで下さい。私の桜ですよ」


「違いますぅ!!私は物じゃありませーん」



ちょっと恥ずかしいけど、これくらいならいいだろう

…一ノ瀬くんの視線が痛いけど



「…うらやましい」


「次だ次!!音也ばっかりいい思いさせてたまるか!」


「そうですね!次は勝ちます!!」





―――――――――――………





「あたしは最下位しか取れんのか!!」


「やったぜ!!音也に勝った!!」



第2レースの結果

1.来栖翔
2.一十木音也
3.一ノ瀬トキヤ
4.月成桜



「私どんだけ弱いの!?」


「私もなんで3位ばっかりなんですか!?音也と翔だけの勝負じゃないですか!」


「二人とも弱いねー」



屈辱的だ…

二連敗…



「俺様の指示はなぁ…」


「まともなのにしてね」


「何がまともだかわかんねーよ。じゃあな…………………ギュッてしてくれ!」




………は?




「ぷぷっ、子供ですかっ…」


「う、うるせぇ!いいだろ、別に!!」


「うん。いいよ」



私は音也くんの膝から降りて、翔くんをおもいっきり抱きしめた

意外と緊張しているらしく、強張っている



「…翔くん可愛いね」


「なっ、可愛いって言うんじゃねえよ」


「ふふっ、ごめん。かっこいいよ」


「やめてぇーーーー!!!」


「甘い!!甘いですよ、翔!!そんなに私に見せつけたいのですか!?」


「翔くん、私はギュッてしたままゲームするの?」


「「「えっ?」」」


「こう…」



私は翔くんの後ろにまわると、座らせて自分も座る

腕を翔くんのお腹にまわして、顔を肩に乗せれば…



「完成!」


「いや、エロすぎるでしょ桜!!」


「なんてうらやましい!!」


「え?ダメ?」



翔くんに聞くけど返事がない

真っ赤なのかな?



「翔くん?」


「…俺様の心臓がもたないからやめてくれ」


「はーい」



私は素直に離れる

やっぱり可愛い、翔くんは



「さぁ、早く続きをしましょう!この順番だと、次は私のはずですから!」


「身の危険を感じる!」







―――――――――――………







「やったぁ!!!危険回避!!!!!」


「………………」



第3レースの結果

1.月成桜
2.一十木音也
3.来栖翔
4.一ノ瀬トキヤ



「とうとうこの日が…」


「さぁ、桜!全力で私にお仕置きを!!」


「トキヤきもっ!」


「そうだねぇ…」



一ノ瀬くんが嫌がりそうなこと…か

直接何かするのはダメだ

だから……



「一ノ瀬くん、レンくん呼んで?」


「は?レン?」


「いいから」



一ノ瀬くんは携帯取り出し、レンくんを呼ぶ








――数分後




――ガチャ




「あ、レンくん!!」


「…レディ、休みくらい寝かせてよ」


「ごめんね」



少しすると、眠そうなレンくんが来てくれた

なんで呼んだかというと……



「ホントにごめんね。ちょっと居てほしくてね」


「桜…なんでレンを呼んだのですか?そして、レンの腕を離しなさい」


「い・や」



私はレンくんを連れてテレビの前に座り…



「ねぇ、レンくん。ギュッてして?」


「いいよ、レディ」



レンくんが私を包むように座る



「なっ!?」


「一ノ瀬くんへのお仕置きは、"放置プレイ"」



いつもしつこいくらい寄って来るからちょっと突き放してみようかと

そして、なんでレンくんかと言うと、那月くんはセクハラするし、真斗くんは絶対してくれない

レンくんなら慣れてるから躊躇しないだろうと思ってね



「…桜…」



一ノ瀬くんは私をじっと見つめる



「可愛いです!!」


「ぐえっ!」



私は後ろはレンくんに、前は一ノ瀬くんに抱きしめられてる

ちなみに、レンくんは半分くらい寝ている



「いつもは美人なのに、たまに見せる可愛らしい表情!!すっごくいいです!!」


「セクハラするな!」


「レンはいいんですか?」


「レンくんはしてない!
意外と純粋…「レディ?」


「起きた!!」



いままで寝てたのに!!

やっぱりこのネタには反応が早い。
※私と御曹司たち 参照



「それは言わないでって言ったよね?」


「…そうだっけ?」


「忘れてしまったのかい?イケナイ子だね」


「ちょっ、レンくん!?」


「オレが何もしないと思った?」



レンくんの手が太ももをなぞる



「ひゃ…」


「レン、ずるいですよ」



一ノ瀬くんは首に唇を寄せる



「んぅ…、一ノ瀬くん…」






















「なんか、イケナイ物見てるみたい」


「あー…、トキヤなのにな」


「二人とも、感想はいいから助けて!!」


「はっ!そうだった!!」

















(ゲームしてただけなのにすっごい疲れた)
(レン、貴方とは同盟を組みましょう)
(イッチーと一緒にされたくないな。それにレディに嫌われてしまうからね)
(俺達最初しか出てないなぁ)
(いいじゃねぇか。いい思いできたんだから)
(そうだね!!)
(部屋、危ない…)








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