出会い(Sクラス編)











―早乙女学園 入学式当日


アイドルや作曲家を目指す人たちが集うここ、早乙女学園

私は今日からその学園で生活することになる



「Sクラスかぁ…」



そう、私は運よく作曲家志望でSクラスに合格したのだ

この際、合格できればクラスなんて関係ない!!とか思っていた私はもう居ない



「ふふっ…私って凄い」



私は少し浮足立ちながら、自分のクラスへと向かったのだった







―――――――――――――――――







教室へ入り、自分の席を探す

私の席は一番後ろ

席に着くと、私は周りを見渡した

さすが、アイドル志望者が多いだけにかっこいい人も可愛い人もたくさんいる



「(私も不細工ではないけど、やっぱり敵わないなぁ…)」



はぁ…、と一つ溜息



――ガラガラッ!



「おら、おめーら、席につけ」



私が席について数分すると、先生らしき人が入ってきた



「知ってる奴もいると思うが、俺がこのクラスの担任、日向龍也だ。ま、一応現役アイドルってやつだ」



早乙女学園は先生が現役アイドルなのは知っていたけど、ここまで有名な人が担任だとは思わなかったなぁ






―――――――――――………






それから私達は学園の説明やらなんやら聞かされ、自己紹介も終わりパートナーを決める事になった

自己紹介で空手を見せてくれた来栖くんは、いきなり"俺様の家来募集!"なんて言うからちょっと…。

神宮寺くんは、女の子に囲まれて声もかけられない

必然的に一人、ツーンとしている一ノ瀬くんに声をかけてみることに



「…一ノ瀬トキヤくんだよね?」



彼は私をみると、無表情で返事をしてくれた



「パートナー探してるんだけど、なってくれないかな?
アイドル志望だよね」


「…私のパートナーになるには、半端な覚悟では困りますよ」



わかりづらいけど、いいって事かな…?



「はい。頑張ります!」


「………素直」


「ん?何か言った?…「いいえ、何でもありません」



なんか気になるけど、いいや



「これからよろしくお願いします」


「あ、よろしくね」



うん、いい人みたい

最初はなんか冷たいのかなとか思ったけど、なんか申し訳なかったかな



「やぁ、イッチー。もうパートナーが決まったのかい?」


「レン…、こんないい子がパートナーです!!」


「イッチー、キャラ忘れないでね」



ん?



「素直+美人です!!体形もバッチリ!!」



んん?



「あの…、一ノ瀬くん?」


「レディもよりによってイッチーを選ぶなんてね。」


「神宮寺…さん?」


「ん?レンでいいよ、レディ。」


「じゃあ、レンくん。一ノ瀬くんって…」


「イッチーかい?まぁ…、見ての通りだよ」



見ての通りって事は、"変態"なんだ、一ノ瀬くん。



「…一ノ瀬くん、パートナー解消しませんか?」


「何を言ってるんですか、桜!」


「いきなり呼び捨て?」


「はじめに言ったでしょう?"半端な覚悟では困ります"と」


「…え、この事!?」



騙された…

いや、まぁ、こちらが悪い

見た目と実力だけで選んだ私が悪いですけど…。



「なにしてんだ、こんなところで騒いで」


「…来栖くん?」



一ノ瀬くんが何やら怖いことをつらつらと言っていると、ちっちゃくて可愛い来栖くんが来ました



「あー…、名字とか慣れないから翔でいいよ。んで、何騒いでんだ?」


「えっとね…」




――かくかくしかじか…




翔くんに今までの恐ろしい出来事を話したら、あからさまに嫌な顔した

被害者の私の方が嫌なのに



「可哀相だな、おまえ。あいつに捕まったら終わりだと思うぞ」


「…身をもって知りました」


「桜!!」


「は、はいっ!!」



私は翔くんと話していたのに、一ノ瀬くんはいきなり私を呼んだ



「これから色々、よろしくお願いしますね」



一ノ瀬くんの真顔が怖かったです










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