水も滴る…?










「なんでっ!!私がっ!!こんなこと…!!」


「しょうがないですよ、ういう運命なんです」


「そんな運命いらなぁーい!!!!」


只今、プール掃除中…

え?

早乙女学園は自動じゃないのかって?

学園長いわく、プールの中は勝手に掃除してくれる仕組みだか、プールサイドは対象外だそうです
※適当に考えました

なので、人力

…どうしてそうなったかと言うと…






―――――――――――………






「おー、月成。調度いいところに」


「…日向先生?」


「お前を信頼して、頼みたい事がある」


「嫌…「拒否権はない」


「酷いっ!!」


「掃除してほしい場所がある」


「…掃除?」


「あぁ、月成が適当に何人か連れて行っていいから、プールサイドの掃除をやってほしい」


「あの…私、作曲しなきゃ…」


「終わってるのは知っている」


「…練習しなきゃ…」


「一ノ瀬は完璧だろう?」


「…調整を…「あきらめろ」


「………はい…」






―――――――――――………






強制です、強制

だから私は、一ノ瀬くんとレンくん、翔くんを無理矢理連れて掃除している

まぁ、案の定、レンくんは何もしてないけど

それを何処からか聞き付けた、音也くん、真斗くん、那月くん、春歌ちゃんが"手伝いたい!!"と、言ってくれたので、手を借りることに

なんて、Aクラスの子たちはいい子ばっかりなんだ…!!



「なんか、楽しいですね。みなさんと一緒に何かをすることって」


「そうだねー。………なんかしようとしてるけど、大丈夫かな…」


「え?」



私と春歌ちゃんが見る先には、音也くんと翔くんが何処からかボールを持ってきて、遊びはじめた

今、プールサイドは水浸しの状態なのによくやるよ

こけなきゃいいけど……



「いでっ!!!!」


「大丈夫ですか!音也くん!!」



早速やらかしました

えへへ…なーんて笑ってるけど、本来の目的忘れてないかな?



「そこー、遊ぶのは構わないけど、掃除もしてねー!!」


「「「はーい」」」



とりあえず、音也くんと那月くんと翔くんはきちんとやってくれるだろう

真斗くんは黙々と掃除してくれている

問題ない。が、



「レンくん、手伝ってよ」


「ん?なんだい、レディ」


「いや、なんだいじゃなくて…」



レンくんは室内なのにパラソルの下で、みんなの勇姿を見守っている

まぁ、レンくんが掃除なんてする姿、想像できないしねー



「…なんでもないよ。みんなが怪我しないか見ててね」


「OK」



一ノ瀬くんは…



「桜、足が濡れてるってエロいですね」


「一ノ瀬くんは帰っていいよ」


「こんなおいしい場面、私が逃す訳ないじゃないですか」


「……そうですねー」



安定の一ノ瀬くんでした



「居ていいけど、ちゃんと掃除してくれる?」


「ご褒美希望です」


「ボランティアです」


「…………」



…そんな泣きそうな顔すんな

可愛いと思ってしまう私が憎いだろう



「………はぁ…。しょうがない、次の休み遊びに行こう」


「頑張ります!!!!!!!!」



なんて分かりやすい人なんだろう

扱いやすいからいいんだけど…



「いっくよー!!!」


「おう!!!」



ん?

なんか騒がしい……



「あっ……!!!!」



音也くん?

なにかな、あれ

さっき持ってたボールが春歌ちゃんに向かって飛んでるんだけど…

いや、あれ、マジで当たる!!!



「危ない、七海!!!」


「え?」



――バン!!



「きゃっ…!!」


「七海!!!」



ボールが春歌ちゃんに当たる

その当たった反動で春歌ちゃんの体は水に引き込まれる



「っ…!!」


「きゃあ!!」



私は春歌ちゃんの体を思いっ切り引っ張った

けど、やっぱり女の力じゃどうにもならなく、春歌ちゃんは助かったが、私は水の中に



――バッシャーン!!!



「「「桜!!!」」」



みんなの声が遠く………なることはなく、



「…ぷはぁっ!」


「桜ちゃん、大丈夫ですか!?」


「大丈夫だよ、春歌ちゃん。怪我なかった?」


「はい。私は大丈夫ですけど、桜ちゃんが…」


「これくらい平気」



私たちがそんなやりとりをしてると、みんなが集まってきた



「大丈夫かい、レディ!」


「ん、大丈夫。レンくん、手貸して?」



私はプールから出るためレンくんの手を掴んだ

が、



「え?」


「巻き添いじゃ!!」



――バッシャーン!!!



「「「!?」」」


「あはははっ!!レンくんもびしょびしょー」



私はレンくんの手を掴んだまま勢いよく引っ張った

もちろん、重力には逆らわないので、レンくんは水の中



「………レディ?」


「ふふっ、水も滴るいい男♪」


「誤魔化さないでおくれよ」


「気持ちいいでしょ?」


「お前らなぁ…。風邪ひくだろ?早く上がれよ」



翔くんに言われ、やっとプールから出る

…本当に私とレンくんはびしょびしょだ



「ごめんなさい、誰かタオル持ってきてくれない?」


「あ、僕持ってきますねー」



那月くんはパタパタとプールを後にしていった

こんなことになると思っていなかったので、制服だった

…重いなぁ



「…っ!」



真斗くんと目が合った

さけられた…

なんで?



「桜、制服透けてます」


「え?…………あぁ」



制服は夏服だから、生地が薄い上に、濡れてしまったのだからしょうがない

ブラウスは体のラインがわかり、そのうえ透けてブラジャーが見え、スカートは濡れて足にピッタリとくっついている

真斗くんにはきつかったか…

あ、



「………………」


「キモい、トキヤキモいよ!!!」


「音也くん、よくわかるけど直接的過ぎるよ!!」



一ノ瀬くんは、瞬きしてるのかな?ってくらいガン見してくる



「桜、写真撮ってもいいですか?」


「嫌です!」


「じゃあ、お持ち帰りしてもいいですか?」


「もっと嫌です!!」


「あぁ、足の間の水滴が……」


「いやぁーーー!!!!」












(タオル持ってきましたよー)
(神っ!!)
(え?あ、桜ちゃん透けちゃってますねー)
(レディ、とても刺激的だろ?)
(はい!とっても可愛いですっ!!)
(変態増殖中!!!)






――――――――――――――――――


水…大好きです♪

本当はレンくん、落ちる予定じゃなかったんですけど、"水も滴るいい男♪"を入れたくて…





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