ありがとう、って伝えたくて

※おまけ程度

優奈視点









「で、結局くっついたって?」


「うん、そうですよー」



シャイニング事務所にて

休憩室で嶺二さんとお話し中

藍ちゃんと付き合うようになって、一週間が経った



「ちゃんと全部知ってあげた?」


「はい。嶺二さんが知ってる事も、他言してはいけない事も」


「…良かったね、二人とも。これからはアイアイをたーっぷり甘えさせてあげてねっ」


「そりゃあ、もちろん」


「もー、お兄さん羨ましいっ!でも、やっぱり雰囲気で"幸せ"だって分かるよ」


「…本当に?」


「本当、本当!」



最初は嶺二さんがそんな大切な事を知ってるなんてビックリした

けど、藍ちゃんと嶺二さんの間にはなんらかの関係があって、そこに私が入ってはいけないんだって、思った

まぁ、QUARTETで一番信頼できる人だしね



「ねぇ、何してんのさ」


「噂をすればアイアイじゃない」



いつの間にか藍ちゃんが立っていた

でも、明らかに不機嫌

あぁ…、嶺二さんと二人きりだったのが気に入らないのか



「レイジに変な事されてない?」


「変な事なんてしないよっ!」


「どうだか」


「酷いっ!!」



何気なく隣に座った藍ちゃん

分かりやすいなぁ…

これ以上不機嫌になると大変だから言わないけど



「あ!!もうこんな時間っ!僕ちんこれから収録だったんだ!」


「あ、気をつけてくださいねー」


「ありがと、優奈ちゃんっ。またね、二人ともー!!」



風のように去っていった嶺二さん

そんな彼を藍ちゃんは睨むように見ていた



「…なるべく二人きりにならないで」


「うん、ごめんね藍ちゃん」


「ま、レイジとかならまだいいけどさ。…心配、だから」



振り返って目を伏せ気味に言う

QUARTETのみんなと居ると大人だなぁって思うけど、別にそんなことないんだよね

本当に、可愛い

好きになって…、藍ちゃんに好いてもらえて…、良かった

私今ね、こんなに幸せなんだよーって誰かに伝えたい気分

あ、口に出さなくても"雰囲気で分かる"って、さっき嶺二さんが言ってたっけ

分かりやすいかなぁ?

…それはそれでいいかも

でもね、ちょっぴりお子様な藍ちゃんには言わないと分からないか

だからちょっと寄り掛かってみる



「なっ…!」


「ねぇ、藍ちゃん」


「……何?」


「私ね、今この時間(トキ)を藍ちゃんと過ごせて、凄く幸せだよ」


「……………………」


「だから…、ずーっと一緒に居よう?」


「当たり前、だから…そんなこと」



少しだけ顔を上げると、真っ赤な顔の藍ちゃんが私に笑って見せた



「「大好き」」










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