自身がぬるりとした生温かさに包まれるのに、ユーリは目を見開いた。今自分がされていることは重々分かっていたから驚くことはないと思うのだが、それでもびくりと腰が跳ねてしまったのは仕方が無いことだと思う。下を見るとふわふわと揺れる金髪が見えて、堪らなくなって目を閉じた。
「ん、」
 息が荒くなっていくのが自分でも分かる。下からくぐもった声が聞こえてきて、普段は聞けないフレンの声にぞくぞくと背中を熱いものが駆け上がる。は、と吐き出した息が情けなく震えていた。
 最初は先端を咥えるだけだったそれを、フレンは徐々に喉の奥に咥えこんでいく。自分がしたことは何度かあったけれども、されるのは初めてだ。しかもフレンだ。そこまで考えて、羞恥心やら罪悪感やらで死にたくなる。心臓は苦しいぐらいに暴れているし、なにより顔が熱い。今の自分の顔は、きっと真っ赤だ。
 しかし、身体は正直なもので、喉の奥できゅうと絞られるとそれだけで気持ち良過ぎてどうにかなりそうになる。左手でフレンの髪の毛を掴んで、右手で口を押さえているけど、堪えきれない嬌声が指の間から零れ落ちた。
「ぅ、んあ」
 壁を背にして立ってはいるけれど、がくがくと震える足が頼りない。かくりと抜けてしまわないように踏ん張る姿がいっそ滑稽だ。
「ん、っぐ」
 フレンの声がダイレクトに響く。思わず目を開けてしまったユーリの瞳が、下から見上げる青色とかち合った。その瞳が、熱を帯びた瞳が、すっと細められて。
 口内の舌の動きと同時に根元を抜かれて、裏返った声がぽろりと零れた。
「ひっ!あっ、ああ!ふっ、フレ、だめ、だ」
「んん」
「も、や、あぁ、―――っ!」
 限界を感じて、終わりは直ぐだった。口を離したフレンを確認するのと同時に、ずるずると座り込む。ぜえぜえと荒い息を繰り返しながら、ユーリは見上げた先でフレンの喉がこくりと上下するのを見た。見てしまった。
 額に少し汗を滲ませながら、は、とひとつ息を吐き出したフレンは、未だ整わない息のユーリに向けてにこりと微笑んだ。
「ごちそうさま」




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