02
「小十郎、何考えてやがる?」
「…いや、別に。何でもねぇ、あっ!」
「嘘をつくな。俺以外のことを考えんじゃねぇ……!」
「ぐ、はっ、はぁ。だから、何でもねぇつってんだ、ろうが……ふう、んっ」
何でもないと言えば、もう黙ってろと言わんばかりに、口で口を塞がれた。逃げても逃げても舌を追われ続け、結局は絡まり身体の力が抜ける。その間にも伊達の動きは変わらない。
「ん、ぐぅ、はっ、あ!」
自分の限界が近いのが嫌でも分かる。それを知ってか知らずか、伊達が胸に噛みついてきた。絶妙な加減で、痛いのかどうかさえもう分からない。同時に押し込まれ、自分の意思に関係なく、びくりと身体が飛び上がった。
「あ、あぁっ!」
「ぐっ…!」
伊達も限界だったようで、自身を抜き俺の腹に撒き散らす。
始めは気持ち悪かったのに、少しでも慣れたと思う自分がありえねぇ。
「は、はっ、はぁ……」
「小十郎…」
乱れた俺の前髪を伊達の指が掬い上げる。それに対して、やらなくていい。と言えば、昔から変わらねぇなぁ。と伊達が笑った。
「何がだ?」
「お前のそっけないところ。今も昔も変わらねぇって話だよ」
「……だから俺は覚えちゃいねぇ」
「まぁ、そこが可愛いとこでもあるんだけどな」
「寝言は寝てから言いやがれ」
伊達に背を向けるように横を向けば、奴はまた楽しそうに、くくっと笑った。