初夜 裏
それは小十郎と初めて繋がった日。
想いが伝わり合った日。
「ぐっ、は……ぐぅっ」
「小十郎……」
俺の下で顔を火照らせ、言葉にならない言葉を喘ぐ。何時もならきっちりと整った前髪も乱れていた。普段なら見れない小十郎が、また可愛いと思う。
「痛ぇか?」
既に俺自身は小十郎の中へと入っていて。痛いかと聞けば、小十郎は震えながら首を横に振った。しかし本来なら出口にしか使われないもの。しかも初めてとくれば痛くない筈がない。きっとこいつの俺に対する忠義がそうさせているのだろう。
「ん、…は、あぁっ」
あまり負担をかけないようゆっくりと動いていけば、小十郎の声色が変わった気がした。ついでに小十郎自身も一緒に触ってやれば、声色が確かに変わる。
「は、あっ、ま、政宗様」
「なんだ? 」
「も、限界で…」
小十郎が俺の背中に腕を回した。微かに震えているのが、腕を通して俺に伝わる。
「OK.それじゃあ、Last partyといこうぜっ……!」
「うわ、あぁっ!」
腰を動かずスピードを早めれば、小十郎の声が上がった。
そろそろ俺も限界に近い。だが負担もある上、ここは小十郎を先にイカせるべきだろう。俺は腰の動きを繰り返す。
「ん、はっ……あ、ん、あぁ」
小十郎の口からはもう、喘ぎしか聞こえない。俺はラストスパートをかけた。小十郎の声が益々大きくなる。
「政宗様……!」
「小十郎!?」
しかしここで予想してないことが起こった。小十郎が自身を自分で掴んだのだ。しかも力強く。これでは小十郎はイクことが出来ない。
「おい、何やってんだ!」
俺は叫んだ。小十郎の行動が理解出来なかったからだ。本当は俺とシたくなかったんじゃないか。そんな不安が頭を過る。
すると薄く涙を浮かべた小十郎と目が合った。
小十郎が政宗様よりも先にイク訳にはいきますまい。
微かな笑みを浮かべ、確かに小十郎はそう言った。
――本当に、こいつは……。
ドクン。俺自身が波打った。
「うわっ、な、政宗、様?」
「……待ったはなしだぜ、小十郎」
初めてだし優しくしようと思ってた。だけど無理だ。絶対無理だ。なにこいつ可愛い過ぎる。
「ま、政宗様…。な、小十郎の話を聞い、てなかっ……!」
「Ahーn? 聞いてたぜ? 」
「ならば、 ふ、んぅ」
まだ何か言おうとする小十郎の口を塞いでやる。そして小十郎の手の上に自分の手を重ねるようにする。
「ま、政宗様……! そんなとこ、触ったら……」
「分かってる」
不安を取り除いてやろうと耳元でそう言えば小十郎がびくりと跳ねる。
ああ、もう。なんでこいつはこんなに可愛いんだろうな。
「一緒だ。一緒なら文句ねぇだろ?」
「まさ…ッ わ、はぁ、あっ」
返事を聞く前に動きを再開させる。返事なんて聞かねぇ。こいつはもう決定事項なのだから。
「う、わ、あ、あぁっ!!」
「ぐっ……ッ!」
小十郎の声がMAXになり、二人同時に絶頂を迎えた。
大丈夫か。と顔を覗けば、ぶすと少し不機嫌な顔が。
「政宗様……」
不機嫌な顔に不機嫌な声。しかし頬が染まっている時点で、いつもの迫力は全くない。
「まぁ、いいじゃねぇか」
なっ? と笑えば、眉間の皺が崩れて仕方のない方だと溜め息1つ。
その顔がまた可愛いかったので、俺はまた小十郎にキスをした。