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【モトラド達の話】
−my darling−



「まったく、置いてけぼりか。ヒマだね、セシル」
「ねえ、エルメスはキノのこと、好き?」
「……はあ? イキナリ何?」
「自分の乗り手が好きか、って言ってんの」
「? んー、まあ、そうかもね。一人じゃ動けないし」
「そうかそうか」
「一人で納得しないでよ。何なの?」
「僕も好きだ」
「は?」
「僕も、自分の乗り手が好きだ」
「ああ、レイのこと?」
「うん」
「ふーん」
「………」
「………」




「……………」
「ちょいと、黙ってないでよ。セシル」
「……じゃあ、レイのことは?」
「え? あー、うん。好きだよ。たぶんね」
「そうか」
「……? そう言うセシルは?」
「へ?」
「セシルはキノのこと、好きなの?」
「あー、うん。好きだよ。たぶんね」
「ふーん」
「……………」
「……………」




「なあエルメス、あの二人ってさ、」
「ん?」
「“好きどうし”だよね」
「あー、そうだね」
「その“好き”はさ、僕らの“好き”とは違うよね」
「よくわからないなー」
「逃げるなよ」
「逃げてないよ」
「……………」
「……………」






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