ふあ、と退屈そうな欠伸を一度してから
目の前にあるパソコンと向き合う。
昔はとても騒がしかった産業技術研究所も今は昔ほど騒がしくなく、
あれが特殊だったのかと退屈そうな欠伸をした本人、東雲聡は思わせられた。

自分を大阪帝国から西京都へと連れてきた男はすでに死んでいた。
そのことを聞いたとき不思議と違和感を感じられた。
何故?どうして?いつ?
考えれば頭が危険信号をだし頭痛に悩まされる。
いつもと違う気がする自分の体と研究者という立場。
違和感はどこにでも散らばっていた。

(ファルケはトメニアに行って死んだんだっけ…?
 んで瑞穂が最近イイ感じだかなんだか…?アイツそこまでいってたか?)

くるくると座っているイスを回しながら考える。
頭痛などは無視をしよう。気にするんじゃあない。
そう言い聞かせて、さらなる深みへと向かう。

「聡くん?」

思考を停止させたのは助手である榛の声だった。
榛は室内だというのに顔を出すのが嫌なのかフードを深くかぶる変わった助手だ。
聡は視線を榛のほうへと向けてんーと少しうなる。

「なんでもない、ちょっと出てくる」
「僕もついていく?」

榛は首を横にしながら人差し指を自分の方へと向ける。
その様子に聡は一度頭を掻きながら言った。

「あー…そうだな」

了解、と榛は短く返事をしてから準備してくると言いながら
(推測だが)愛銃を取りに行った。

再びパソコンに目を向けて今日の日付を確認する。
別に祝日とかじゃない、特別な日ではないはずだ。

(でもなんかある気がするんだよな……ま、考えてもしょうがねえか)

イスからガタンという音を上げて思いっきり立ち上がり両手を上にあげて体をのばす。
そして自分も大阪帝国で暴れていたときから使っていた鎌を持って準備をする。
さて、今日は誰が捕まってくれるのか。

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