昼休み。
神崎刑斗はいつも通り弁当を広げていたが
少し困っていることがあった。
弁当が入っていた袋に一緒ある棒がついた透き通った黄色の物体。
べっこう飴だ。

どうやら妹の桐乃がお菓子作りに興味を持ったらしく、
四苦八苦しながら作ったらしい。だが、予想以上にできたものは多く、
家では食べきれない量となってしまった。だから刑斗にも持たせたそうだ。
曰く「アンタも友達の一人くらいいるんでしょうからあげなさい」だそうで。

(俺は甘いものが嫌いだと何度言えばわかるのだ……)

昨晩のお前も食べろよという視線を思い出しはあ、とため息をつく。

ふと背後に気配を感じたので振り返ってみれば
同じクラスの蛍、楠がじーっとこちらを見つめていた。

「……何用ぞ」
「それ」

ぴっとまっすぐに蛍と楠はべっこう飴に向かって指をさし
少し緩んだ笑みを浮かべる。
刑斗はどういうことだ、と首を傾げれば横から
「その黄色いやつが欲しいんだとよ」とニヤニヤ笑いながらキョンシー――蘇は
ひょいと一本べっこう飴をとり口へと運んだ。

「そういうことなら早く言え、俺はいらん」
「ん。ありがと」

刑斗は蛍と楠にそれぞれ五本飴を渡して近くの蘇へと視線を再び向ける。

「お前もいるか?」
「もらえるんだったらよろこんでー」

ニヤっと笑って余った四本のべっこう飴を渡す。
どうやら帰ってから桐乃に怒られることはなさそうだ。



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梓芭さん宅の楠さん・蘇くん、
宮原さん宅の蛍さんお借りしました



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