「駿、ロイファーの回収頼めるかな」

階段を下り、あと少しかと思ったところで
ファルケは立ち止まって先行していた騎場に投げかける。
騎場はと言えば体をファルケのほうへと向け彼へ近づき顔を覗き込む。
前髪で隠れているため表情はわからないが、どうやら駿には何かを読めたようで
しょうがないですわねえと笑って今まで走っていた方向とは真反対へと
走って行った。

すぐに姿が見えなくなりファルケは満足そうに笑うと下へと歩き出す。

ガラガラとスーツケースは煩く音を立てて存在を主張する。
その音にイライラとしファルケはこれも捨てていこうか悩んだが
このスーツケースの中にはあと何体か護衛用アンドロイドが入っている。
これを捨てていったらここで生き残っても西京都へ行ったとき鷹廣に怒られる。
というか殺される。

しかしこの音は本当にウザったい。
実はたまにこの音で敵が近くにいる!とでも思ったのだろう
どちらかの組の構成員が襲ってきたりもした。
その時はロイファーや駿がいたためファルケは大した戦闘は行わずに
ただ見守っていたのだが。

今はただ一人のみ。スーツケースの中身を取り出すのも良いが、
完全に起動するまで時間がかかる。

ファルケは念のために持っている拳銃を取り出して
下へ下へと向かう。

とりあえず生き残ろう、前世仲間探しはそのあとだ。
そう思いながら。



戻る

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -