「瑞穂ー瑞穂瑞穂瑞穂みーずーほー」
「うっせぇな、お前黙ってらんねぇのか!」
「りーむーり!ってか猫被ってへらへら笑ってるの疲れてるのこっちは!」

まるで親子喧嘩のように言い争いながら階段を駆け下りる二人の姿。
決して親子ではないがしかしまあ年齢からして親子でもさして問題はない。
男、東雲瑞穂はなんでこんなことになったとため息をつく。

「瑞穂瑞穂ー、あそこに人がいるから斬ってくるねー」
「おーいってらーじゃねぇよ!!黒牙曾のヤツだったら斬るなよ!」
「だいじょーぶだ、問題ない!」
「問題なくねぇだろ!?」

瑞穂の懇親のつっこみ(?)をよそに少年東雲聡は人がいる方へと走って行った。
その様子はとても楽しそうで、瑞穂はもう俺疲れたと言わんばかりの顔をする。
そしていつも使っている狙撃銃を(とりあえず)準備している。

(俺が戦わなくても聡が勝手に倒してくれっから準備なんてしなくてもいいんだけどなあ)

ふと聡のほうへと視線を向ければあははーと笑いながら人を斬る斬る。
その中には知っている顔もいてアレ?やっちゃったんじゃね?と顔から血の気がさっと引いていくのがわかった。

「聡ー、それ仲間!仲間だから!」
「え?聞こえないなー、瑞穂の声は小っちゃいからなァー」

絶対聞こえてるだろ!!と思わず叫びたくなるところをぐっと堪えて
テレビとか映ってないだろうな……?と確認をする。
幸いにもカメラは付近に見当たらず、モニターにもきっと移ってないだろうと安心する。

(別に移ってても俺関係ねぇか、逆に聡が死んでくれたほうが万々歳だな)

瑞穂は聡が人を殲滅し終わったのをみて、やっと終わったかと言い聡の元へと向かう。
聡はといえばアンタも接近戦できるんだからもう少し戦えばいいのにと呆れる。
その様子に俺はアンタみたいな戦闘狂じゃないからなと言えば聡はなんだつまらないなぁとため息をついた。






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