「・・・以上が、この小さな箱の内容です」

以前調べた情報曰く構成員である薺、というものが膝を付いて幹部らしき人間に報告する。
届いたUSBの情報はこのくらいか、と私は思うが、どうやらクソ神はこれからの動きのほうが問題だろう、と
笑いながらいった。

例えば信憑性。
誰がこの情報を作り誰がこの情報を持ってこさせるといったのか。
幹部の人間の中で複数の言葉をかわされる。

『どう思う?』
(どうにもなにも、ここでこの情報を信用しなかったら私たちにとっては万々歳だけど、
 やられた人間、小室だっけ?それの声が入っているんだ、一時的には信用されるでしょうね)
『フーン』

脳内会話が終わると同時にその判決が下される。
どうやら私の予想通りってやつだ。

『永江ってやつは見たことはあるか?』
(ある、一応)
『お前あるのか?』
(アンタも見たことあるよクソ神。ポーンよ)
『へぇ、だったらコイツからでてくる俺たちの情報はあまりねえか』
(クソ神、あなたはキング、顔が知れている。つまりアイツに外見を喋られたらおしまいってハナシ)

「小鼠めが、潜り込んでおるようじゃな」

低い声が響く。
どうやら気づかれたらしい。全く面倒なことになったわけだ。

『どうする?』
(どうも、総大将様がいるわけだけど?あのUSBの破壊だけはしていきたい)
『ひょっとこ仮面とられたらおしまいだぞ?』
(と、り、あ、え、ず、破壊!)
『チッ俺様に指図は今回だけは見逃してやるよ!』

ガンっと天井を破り、着地。
目の前には何人もの、椿組の幹部の面々。

「ひょっとこ仮面様可憐に参上ってな」
「椿組を舐め過ぎじゃろうて、わっぱめが」
「暴言結構」

仮面の下でニヤりと笑えば風がふく。
薺という少年に近づけば彼はUSBをとって逃走。
追いかけよとするならば邪魔な構成員やらなにやらがうじゃうじゃと出てくる。

「なんだっけ、妖怪、お前の名前」
「小鼠に名乗る名があると思うたか?」
「はっ妖怪風情が。まあいい。九葉郁だけっか。また遊びに来てやるよ」

そう言葉にした瞬間、クソ神がいた場所はすっかり見るも無残な木屑へと変わり、
自分たちを取り囲んでいた敵の一部だけが床へと倒れていた。

「bye!」

と異国の言葉を放ち愉快そうにこの部屋から脱出していった。

まだ、椿組本部からは、出ることはなかった。


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九葉郁さん(準公式・梓芭さん宅)
薺さん(テンテレさん宅)
お借りしました。




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