「……僕としたことが馬鹿なことをしてしまった」
第一声がコレ。
研究所内をぐるぐるとまわっていたのはいいのだが、
誰にも会わない(他の研究員にすら)で、迷子になる。
いい大人だばかばかしい。
そう悪態をつきつつ、ここはどこだったのだろうか、壁によりかかる。
「っわ」
と同時に開く扉。
運動能力のお蔭か幸い無様に頭から床にダイブすることはなかったが。
「神崎鷹廣ですか」
「ん、ああなんだ荒神古式じゃないか」
どうやら彼女、荒神古式がいるカメラルームにたどり着いていたらしい。
最近研究室から出ていなかったからなのか、それとも自分はなにかここに
求めてきたのかわからないのだが、どうせカメラルームに来たんだ、情報やら何やら
教えてもらおうじゃないか。
「神崎鷹廣」
「何?」
「いつもの布が消えてます」
「げっ」
どうやら顔を隠していた布のひもが緩かったらしく、
先ほどのアホみたいな行動のお蔭で恥ずかしい目が露呈した。
(研究は途中で休憩入れされられたしなんか乗り込んできたと思ってきたら雑魚ばっかりだし
あげくの果てにこの実験の失敗の塊の目が露呈しているなんてありえない)
災難続きだ、と呟けば侵入者の資料はこちらにありますと古式は言うとカメラに目を戻す。
どうやらこの資料を持ってさっさと出ていけということらしい。
「出てけってことねぇ。研究所内での問題点、今すぐあげて」
「監視カメラの破損、環境研究所の炎上」
「へぇ、面白いことしてくれるね」
さて、どちらに行くべきか。
どちらも自分には楽しめる、そんな気がした。
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荒神古式さん(シギさん宅)
お借りしました。
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