神崎鷹廣は暇を持て余していた。
というのも研究に根詰めてたら他の奴らに少しは休憩しろと
叱られたからである。
(そこまでやってないのにね)
祖国にいたときは今の何倍もの時間研究室に閉じこもっていたものだ。
そう思いながらたまたま持ち歩いていた賽子二つをいじる。
それにしても、暇だ。
(この前の―――ツバキ組?ってのが今日来そうだからタイクツにならないと思ってたんだけどね)
ふあ、と欠伸しながらとある場所へと視線を向ける。
ここからそう遠くないであろうそこ何時間かしたら荷物が届くであろう場所に。
(あのくるくるにーちゃんと赤と黒の髪の毛のにーちゃんは来るのかな、
まあ別に来なくても手ごたえのある奴さえいればいいかな)
持っていたサイコロを自分の手から宙へと投げる作業をする。
目は3までしかなくおそらくイカサマ用のサイコロであろう。
(それにしても研究してないで他のことしろって言われても暇なもんだ。
なんで僕の邪魔してくれたかなあ)
この前の椿組を追い払ったあとずっと研究所で何かの実験をしていた彼は
実は飲まず食わずてここまできたらしい。
それをみて研究所の人間は流石に休憩をとれと、これが叱られた内容だ。
暇だ暇だとソファに寝転がってまたサイコロをいじる。
と、そこに爆発音。
「え、なにコレ僕の出番ってわけ?」
ニヤりと笑った彼はいつもつけている黒の布を顔につけて歩きはじめる。
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