歩く。とりあえず歩く。
いつも顔につけているものをめくり自分が『見』える範囲を最大限に生かし、
先ほどの東京人もどきを探す。

(見つけた)

笑いがこぼれる。
と、同時に首も傾げる。

そしてあららと笑う。
鷹廣の目にはうつろな目をした研究員と東京人もどき。
やはり亜人だったか、とまた嗤う。


『偉い人が居そうな所行って、偉い人襲撃してきて。覚えてる範囲でいいよ。』
『わかりました』
『武器はーそうだなー異能持ってそうにないしなぁ、こんな簡単じゃあ。よし、殴ろう!』
『わかりました』
『じゃ、行って来てー』


会話を読めば、ああ操られたかなにかか?と研究員を見ながらに準備運動をする。
距離はさほど遠くない。ならば。

(一気に距離を詰めてあの研究員の意識だけを持っていく、それでいいね)

少し下がり、足に力を籠め、一気に。
そう、それが鷹廣にはたかが数メートルだろうとなんだろうと近づける力があった。
だから。

「おやすみなさい」

風が走る。
と共に崩れ落ちる研究員。笑う鷹。
後方には、驚く東京人もどきと呼んでいたもの。

(公にされてない、密輸品、だからこっちは騒がしくできない、だから静かにスマートに)

頭に叩き込み東京人もどきを見据える。
さて、どう遊んであげようか?



鷲の微笑
(楽しいじゃないか)(まだ時間は残ってる)(それまで遊んであげようではないか)



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