黄瀬×青峰




俺は最初からそれが恋だと思わなかった。いや、認めたくなかっただけだ。
最初は気のせいだと思っていた。
青峰っちを見かけて、寄り添って、楽しく話して、その時、黒子っちが入ってきた。あの人は嬉しそうにすぐに黒子っちと話しているときを見たときは胸辺りが痛くなるのを感じていた。
それを俺は無視してきた。

他にも学校の中で見かける青峰っちに抱きつく知らない女がいて、その女はおっぱいが大きかったので青峰っちがまんざらでもないと鼻が伸びていた。
一瞬、その女に殺意を芽生えたことも俺はどうしてなのか分からなかった。

そんなむず痒い思いが続けて、それが恋だと確定した日が来た。

「青峰っち、目が赤いッスよ?」
「うっせー。かゆいんだよ」

今や、花粉の季節。青峰っちが少し花粉症であることを初めて知ることが出来た。鼻水が出ないものの、目が炎症するのは避けられなかったようだ。

「黄瀬、カバンもっとけ」
「ちょっと、俺パシリじゃないんスけど…」
「いーからもっていろ」
「もー、しょうがないなぁ」

青峰っちのカバンをしぶしぶ持つと、青峰っちはズボンポケットから何やら目薬ようなものを取り出した。そして、まぶたを押さえながら、眼球に目薬をさした。
おー、やっぱりしみるわー。目薬嫌いなんだけどな。と目薬をさした青峰っちの目がうるうるとしていて、俺は不覚にも見惚れていた。
………かわいい。あの眼球、舐めたらどんな反応するんだろう。
とそう考えたとき、はっとする。
すぐさま、青峰っちにカバンを押しつけ、その場から走り去る。後ろから名前を呼ばれた気がするけど、無視して家まで走った。
自分の考えを知られたくないと、嫌悪感と、抑えきれない理性のせいで逃げ出してしまった。

それが恋だと自覚してしまった瞬間でもある。
女の子とつき合ったことがあるのに、それが甘酸っぱくて下卑た感情なんて気付けなかった。だってこんなにも女の子との恋愛とまったく違いすぎて分からなかったのだ。
だけど、俺はそれを受け入れることは出来なかった。 


俺って気持ち悪っ。



∴背中に食べられた
title/休憩
ノンケ黄瀬の苦悩





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