白澤と鬼灯

食欲は湧くでもないが、人間だった名残のせいか今でも人の生きる行動を真似ている。真似ていると言うより、なかなか抜けない癖だだ。

「えー、人外になっても結局栄養は必要だと思うよ」

「神様の僕は食べ物なんかいらないけど、娯楽のために食べるし、性欲だってあるし」

「それって癖じゃなくて、刺激を求めているだけだよね?みんなも同じだと思うようん」

私よりも何千年以上も生きている彼はこう言った。老けているから、色々な考えを持っている。そんな人外の脳みそが素晴らしいと認めている私も人外だけど。
まあ、本心は黙れ、白豚ですけども。

「白澤さん、私も人外ですけれど、」

「常にお腹が空いているような気がしてならないのです」

「おかしくないですかね」

食べても食べても、お腹の空腹感は常に訴えてくる。お腹いっぱいにさせても、また空いてしまう。それは人外になってしまった私の最初の悩みだった。

「その症状、僕でも治せないよ」

「だって、お前の病気だもの。僕には関係ないね」

そういった白澤さんは嘲るように笑った。だけど、心配そうに見つめてくる目が不愉快でしたのでつい金棒で白澤さんの腹に入れました。むせる声が聞こえながらも、私はまたお腹が空いてしまう。
満たされないこのお腹、どうしようか。



∴かなしいとお腹がすくの。
title/にやり
空っぽ感を埋められない。





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