決勝戦
「山岳ー!山岳ー!」
「んー…?」
布団から顔を出すとカーテンからもれた陽の光がベットにささっている。階段下から委員長の声がする。ぼんやり寝ぼけ眼で目をこすり、のろのろと頭上の目覚まし時計を手にとろうとしていたら、バッターンと部屋のドアが開け放たれて、委員長が現れた。
「山岳、起きなさーい!今日という今日は、遅刻させないわよっ!」
「あー、、、おはよいいんちょ」
「おはよ、じゃないわよ!今日はレースがあるじゃない!しっかりしなさい!」
「あ、金曜日だったっけ。今日」
「今「あっ」って言わなかった?まさか忘れてたんじゃないでしょーね」
じろりと向けられた視線に、はははーと誤魔化し目をそらす。その後山岳は、着替えて下行くよと、委員長を部屋から追い出した。
アが開け放たれて、委員長が現れた。
「山岳、起きなさーい!今日という今日は、遅刻させないわよっ!」
「あー、、、おはよいいんちょ」
「おはよ、じゃないわよ!今日はレースがあるじゃない!しっかりしなさい!」
「あ、金曜日だったっけ。今日」
「今「あっ」って言わなかった?まさか忘れてたんじゃないでしょーね」
じろりと向けられた視線に、はははーと誤魔化し目をそらす。その後山岳は、着替えて下行くよと、委員長を部屋から追い出した。
返事を聞くのが怖くて、レースがあることだけ伝えて逃げてしまった。あれ以来夕希君とは話せていない。…今日、観に来てくれるかな。来てくれたら、嬉しいな。
愛車の横でグローブをはめながら、ちらりとスタート地点付近の人だかりをみた。応援に来ている生徒や自転車競技部の人で賑わうその場所に彼の姿は見当たらない。賑やかな場所は苦手そうだもんなぁと、苦笑しながら、愛車LOOKを見た。
今日は、今日だけは行かなきゃって、ワクワクしてた。だって今日走っとかなきゃ、全国の速い人たちと走れなくなる。
なんたって最後の1枠をかけたレースなんだ。
天気は快晴、歓声はやっぱり黒田先輩が多い。
「南風だ…」
夕希君のことは気になるけど、今はレースに集中しなきゃ。今日勝ったら、インターハイでも夕希君にも見てもらえる。
やらなくちゃ…。
スターターの手が上がる。
……スタートだ。