この時期は嫌いだ

周りは新しい生活に期待抱くバカばかり

志望校に合格しただの、落ちただので泣く奴らは、きっと脳内お花畑なんだろうな

少なくとも俺は違う

新しい生活に夢や希望なんか抱いちゃいない

そもそも、この世界に希望なんてものはない

俺にそんな現実を叩き込みやがったのは、紛れもなくアイツだ

ちょっと可愛いかも〜なんて思って道端で声をかけたのが、そもそもの間違いだった

ノリで番号交換したり、一緒に遊んだり、最終的には付き合って、
でも、「好きな人ができたから」の一点張りで、呆気なくポイ捨て

やっぱり女ってのは怖ぇよな

まぁ、浮かれてた俺も俺だが...

そんなわけで、俺の人生真っ暗(はちょっと言い過ぎか)になったのが2年前の春

気づけば俺も世に言う"フリーター"ってやつだ

人生初のフラれた記念に、勉強して大学へでも行ってやろうかとも思ったが、
バカらしくなって途中断念したことは言うまでもない

というわけで、俺がこんな堕落した性格になったのも、元はというとあの女のせい

アイツは今頃どうしてるんだろうか?

幸せそうに笑ってるっていうんなら、チョチョイと行って、一発ビンタだな
女だろうと関係ねぇ

俺の心が「そんなこと知らなくていいよ」と囁いている

それもそうか
今更だもんな

俺が2年前に見た幸せな時間は、どうやらただの錯覚だったらしい

さ〜て、仕事探すのも面倒だし、コンビニで飯買って帰るとしますか!

俺は歩きだす

前ではなく、横に

現状維持
これが俺の生き方

落ちてくる桜の花びらたちは、6月の雨より冷たかった




散る雨は桃色
(別にアイツの姿をどこかに探したりはしない)
(そんな希望は、この世界には存在しないのだから)

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