久しぶりに飲んだ真水は美味しかった。ひからびた私の体内を確かに巡って、すべての汚れを拭ったかのようだった。そしたら、ひとつの気持ちだけが残ったの。ねぇ、私やっぱり貴方が好きよ。

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世界の終わりには二人ベッドの上抱き締めあっていよう、そんな戯れ言、僕は信じちゃいないんだ。

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夢に裸の女がでてきた。昔の女だとかそんなじゃない、知らない女。スタイルがいいわけでもなく、裸婦画にでてくる女のように熟年特有の垂れたような体つきだった。もちろん欲情なんてしない。ただただ考えた。俺はこいつをしっている?

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神様なんていないのだと、いつ気付いたのだろう。神様なんていないのに、運がいいときにだけ神様に感謝するだなんて疚しい奴になったのはいつからだったのだろう。都合上の神様は、雲にも乗っていない。

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たとえば、ほんのふとした仕草ひとつひとつをすごくすごくに大切にしてみる。そうしたら、ただあなたと手を握ったという行為から、あなたの手の温かさだとか、指がからんだ摩擦だとか、爪が少し長すぎたみたいでかすったみたいだったとか。きっともっと愛せたのに、きっとすごく愛してたのに。

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うそをみぬけないようにもっとうまく笑って?もっと言葉でぬりかためてよ

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重なり合った唇は、柔らかくも何ともなかった。もちろんレモンの味もしなかったし甘いということもなかった。

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すき。そのたった数文字が、無駄なものにならなければいい。きちんと互いの胸に沁みて共鳴すればいい。

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僕たちは拙い付き合い方しかできなかった、だからいつだってがけくずれ。

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珍しく朝の六時に目が覚めたので、散歩がてら朝霧の中を市場へ向かった。市場に出された野菜は大変みずみずしそうで、僕は赤と黄のパプリカを一つずつと、トマトを三つ。そしてフランスパンとチーズを三種買って帰路についた。その途中ポエラに会った、久しぶりの再会だった。ポエラは以前より痩せていたようだったけれど、それ以外には変わったところはないようだった。




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