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泣いて走り去る女の子(涙声だったから泣いてた。絶対) の声を聞きながら、身体を起こしてガングロの手によって溢れたいちごみるくをティッシュで吸いとる。
日差しとコンクリで生暖かくなってる。うぇ、気持ち悪。
まぁ、女の子ご愁傷様。
てかお前もはよどっか行けよチャラ男。
じゃないと私下降りれな…

「相変わらずモッテモテだなぁ黄瀬ェ」

「! …青峰っち。覗きっスかー?もう」

おいガングロ!!!!
知り合いだったのかひらりと下に飛び降りると下のチャラ男をからかいに行った。いやお前何してんだよ私余計降りられないじゃねえかふざけろ。

「あ?覗きじゃねーよ。つか黄瀬、お前もしかして貧乳が…いや、でも前に黄瀬の部屋から出てきたAVは教師もの、」

「きゃああああああ!!!ちょっと!なに勝手に人の趣味晒して…てか青峰っち人の部屋で何してんスか!?」

どんな会話だよ。男子高生の性事情なんかどうでもいいんだよ!というかきゃああってなんだ!女子か!
ちらりとガングロを見れば、ぱちとウィンクされた。
うわあ…
思わず顔をしかめる。何それツラ…いや、待てよもしかしてそこのモテ男を連れ出してくれるとかそういう合図なんじゃ…!

「てかあんな貧乳よりもっと巨乳のがいいだろ。な?」

「え…?」

「は?」

はああああ!?
な?じゃねぇよこっち向くなよ!何でこっちに会話振った日サロ裂くぞ!!てか貧乳だの巨乳だのうるっせえよ!乳で大事なのは感度だろうが鼻たれ青二才が!!って違う!落ち着け!
ガングロのどや顔が果てしなく癇に障る。別にお前を見てたのは会話に入れてほしかったとかじゃないからな?はよ出てってほしかったからだからな?
だからそのどや顔 や め ろ

「えー?青峰っち知らない内に彼女できたんス、か?え、え?」

彼女。
その言葉が聞こえた瞬間ギンッとチャラ男を睨み付ける。

「ふざけるのも大概にしろよパツ金野郎。なんだその戸惑った声。私が「きゃあっ違いますよおー」とでも言うと思ったの?ははっくたばればいいのに。
というか私見てたからな。お前がこっち見た瞬間顔しかめたの。何なの?女子が嫌いとか女子に飽き飽きしてるとかなの?どっちみち私に失礼だよね?ちゃら男より先に居たの私だし?何なの?馬鹿なの死ぬの?」

「え………」

「おい全部声に出てんぞ」

「おや、失礼」

ちゃら男がいきなりぽかんと間抜けな顔をするから何かと思ったら思ってること全部駄々漏れだったらしい。
悪いお口だこと。





自惚れ男は一遍死ね
(え、青峰っち何スかあの子…)
(変な奴だろ?)




…………………………
ごめんなさい黄瀬君は好きです。
愛ゆえです。

 

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