西谷夕の場合

「あ、琴子さんはざまーす！さみーっすね！」

「ノヤさんおはよう、寒いねー！いきなりですが問題です。今日は何の日でしょうか」

「？ 10月最後の日すね」

「うん、正解。ちょっと欲しかった答えとは違うけど流石だね！今日はハロウィンなので」

「はろうぃん？？…あ！カボチャの！」

「そうそう！元々収穫祭だからね、カボチャが有名だね。凄いじゃんノヤさん！よく知ってるね！」

「伊達に赤点回避してませんよ！」

「そだねー (ちょっとそれは関係ないかな)」

「で？カボチャがどうかしたんですか？」

「うん、これどうぞ。南瓜のクッキーでーす」

「いいんですか！？」

「既製品だけどね」

「朝練終わったあと腹減るんで超嬉しいっす！あざす！」



木下久志の場合

「あっ木下君！」

「如月さん！えっわざわざ2年の教室までどうしたんですか？あっ縁下に用っすか？」

「えっ違う違う！木下君に用があって来たの」

「………あっこの間の部室の棚倒したのは田中ですよ俺じゃないです！」

「それも違くて……というか田中さんだったの」

「あっ。えっと俺が言ったことは…」

「大丈夫、内緒ね」

「でもそしたら何で俺に？」

「ああ、これを渡したくて。朝練の時、時間無かったから」

「…クッキー？」

「うん、今日ハロウィンでしょ？もしよければ…あっ既製品だから味の保証はするよ！」

「え？俺、に？」

「もちろん。お嫌でなければ」

「っありがとうございます！大事に食います！」



田中龍之介の場合

「たーなか君」

「あ！琴子さんトリックオア、」

「トリート。部室の棚を倒したのは誰かな？？」

「すみませんでしたお収めください」

「あっチョコだ。やった！ありがとう！」

「あっいえその、サーセンした……」

「いやいや棚は戻してくれたしちょーっと物の配置が違ったりごちゃってなってて片付けの手間とかあったけど怒ってないよ？」

「めちゃくちゃ怒ってるじゃないですか！！」

「そんなことないよ。あっハロウィンだからこれ私から」

「くれるんすか？！…って、なんか色がおどろおどろし……」

「外国のお菓子って凄いよねぇ」

「なんかノヤっさんとかが持ってたのと色が違うんすけど？！」

「ん？」

「うっわ超うまそう！あざす！！！！」

「というのは半分冗談だから泣かないで。はいこれ」

「！ これは、！」

「ノヤさんとかと同じやつね。懲りたらもう棚倒さないでください。潔ちゃんも愕然としてたよ」

「潔子さんが…？！」

「そうそう、怒ってはなかったけど。まぁ後で謝っといて……………って、居ないし」



成田一仁の場合

「如月さん、2年の廊下で何してるんですか？」

「成田君、こんにちは」

「ちわっす。縁下に用ですか？さっき先生に呼ばれてたので教室行っても居ないと…」

「うん違うけどね。木下君に会いに行った時も言われたけどそんなにちからーにくっついてそうなの？私って」

「うーん、くっついてそうというか、力も如月さんには割りと遠慮ないし単に仲いいなとは」

「んんそれは嬉しい。でも今は成田君に用があるんです」

「俺に？」

「そうそう、もうノヤさんとかが持ってるの見たかもしれないけどこれ」

「わ、クッキーだ」

「手作りじゃなくてごめんだけど厳選したので」

「凄い綺麗な色ですね」

「ね！これ味も見た目通り優しくて甘さも控えめですごく美味しいんだよ！」

「あっもう如月さんは食べたんですね」

「もちろん。どうせだったら美味しいものがいいじゃん」

「はは、ありがとうございます！」



縁下力の場合

「あ、ちからー。トリックオアトリート！」

「はいどうぞ」

「えっ」

「えっ、何ですか」

「お菓子もらえて嬉しいけど、ちからーお菓子持ってなさそうだしあわよくば悪戯しようとしたからちょっと残念な複雑な心境」

「流石に去年と同じ轍は踏みませんよ」

「去年何したんだっけ」

「田中と成田の頭を撫でるみたいな」

「ああ！Wジョリジョリだ！懐かしいなー！」

「何が楽しいのかよくわかりませんでしたけど爆笑してくれてましたよね」

「あれは面白かった。先輩達の代と私の代に坊主頭がいなくて残念だったもんなぁ」

「…ちなみに、今日俺がお菓子持ってなかったらどうするつもりだったんですか？」

「んー………あっ、スガと山口の触角を引っこ抜く、とか？」

「ピク○ンじゃないんですよやめろ！！」

「あっはは！冗談冗談！」

「(冗談に聞こえないから怖い…)」

「あ！そうだ。ちからーにお菓子せびりに来たんじゃないんだよ。はいこれ私からトリート」

「？ これ、田中たちが持ってた」

「クッキーでーす。ちからー中々捕まらんから渡すの遅くなっちゃったよ。ひゅうっ人気者」

「頼まれごととかよくされるだけですよ。でも、うわ、ありがとうございます」

「ふふー、どういたしまして！」



HAPPY HALLOWEEN